狼娘物語 | ナノ



148名
これは、探索部隊を含めた黒の教団の死者数である。そのうち、エクソシストが6名。唯一AKUMAに対抗できるのが、エクソシストである。そのエクソシストが6名も失った。それは、もともと負け戦の可能性が高い黒の教団にとっては大打撃である。これによって、どれだけの探索部隊が戦意喪失しただろうか……探索部隊ならまだいい。でも、これによってエクソシストが戦意喪失したらまずいのだ。

「デイ、シャ……」

彼も……死んだ。僕と彼は特別仲が良かったわけでは、ない。マリといるときに、絡んできたのだ。もちろん、僕は彼を拒絶した。それでもめげずに絡んできた。……しつこく絡んできて、僕が心を緩めてしまったやつのいい例だった。そんな彼は……死んだ。遺体には、開いた傷はなかったらしい。だけど、臓器一つまるまる、綺麗に抜き取られていた。それは、AKUMAの仕業じゃなくてノアの仕業としかいいようがない。ギリッと歯を軋ませる。

「ノアなら、話は早い」

僕は、敵討ちとかまったく考えないタイプ"だった"。過去形なのは、今の僕が考えていることは敵討ちといえるようなことだから。AKUMAは、敵討ちとか考えている暇がないのだ。数が多いから。でも、相手を特定できるノア相手なら話は別だ。個々の能力が独特なノアなら、デイシャを殺した相手をみつけることができる。恨みとかで、エクソシストの仕事は怠らない。たった数日で三桁を達する人が殺されたのだ、気を緩めることなんてしない。でも、もしもデイシャと同じ手口で行うノアがいたら、そのときは僕は容赦しない。
神田ユウとマリと比較的仲が良かった人だからというのもあり、僕の中では仲のいい奴だった。大切な人を作らないと決めた僕が、一瞬でも大切って思った奴を還らぬ人にしたんだ。許せない、許すわけがない。

「見つけ次第、倒す」


 
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