狼娘物語 | ナノ



僕はお決まりになりつつある言葉、「眠い……」を連発している。つい先日マテールの任務を終わらせて、コムリンの騒動で寝れなくて、そのまま任務へ直行。こういうとき一銭の得にもならないということに多少ムカつく。残業代とかエクソシストにも出すべきだよね。そういうことで僕は今、《巻き戻しの街》に居る。

「別に、僕一人でもいい……」
「そ、そんなこと言わないで下さいよ」
「アレン、絵下手。核心の人物、見失う、救いようのない馬鹿……。仕事増やすな。食べ過ぎ、太るよ…むしろ太れ」
「後半関係ないですよね!明らかに花火の私情ですよね!!」

お店から出されたお冷で喉を潤しながらため息をついた。目の前には見てるだけでお腹いっぱいになりそうな多量の食べ物。さすが寄生型イノセンスなだけあるよね。いったいそのモヤシのように細い身体のどこにはいるのか。

「二人とも本当に仲良くなったのね」
「い、いやぁ…それほどでも゙っ゙!!」

ヘラつくアレンがムカついたので、思い切り足を踏んだ。「今、踵で……思い切り踵……」と痛みに悶え苦しむ様子を見ながら「うざい」の一言で切り捨てる。

(ひ、一言で言いきられた!!)
「この街、上下左右どこから出ようとしても出られない」
「僕は無視なんですね……」

ズーンっという効果音付きで落ち込んだアレンを無視しながら僕はこの街のことを喋り出した。正直言って落ち込みながらもぐもぐと食べ物を食べている様子はうざいの単語につきる。いい年した男がなにやってるんだよ。

「団体行動、嫌い。一人、任務したい……」
「花火、本当に面倒そうね……」
「この程度の任務、三人もいらない……」
「「ははは……」」

苦笑いする二人を無視して僕は窓から外を見て、今回の任務前の室長を思い出した。


 
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