ごろり、寝返りをうつ。ようやく本部に戻ってきたところで、室長の計らいと婦長の命令により僕たちエクソシストは強制的にベッドのなかえとおいやられた。しばらくは眠れる。万歳。と思っていたが、同性同士の相部屋……つまり、リナリーと同じ部屋なわけで、必然的に室長が妹の見舞いに来る。つまり、僕が言いたいのは……煩くて眠れねえんだが。おっと、あまりのイライラに口を悪くしてしまった。それでも、文句を言わないのはあの戦いの後だから。二人の会話を片耳に兄妹っていいなあ。と少し思ってみる。そして、タイミングを見計らったかのようにドアが開いて「ういーっすう!!」とハイテンションな声が飛び込んできた。ちなみにその声に間髪いれずに「騒がしい!」と婦長の怒鳴り声がした。ああ、煩いやつきたなあ。布団から起き上がって「……夢歌」と訪問者に声をかける。
「なんやなんや?起き上がってええの?」 「外傷はそんなにないから……あ、うん。ダメだね。でも、お見舞いしてもらって寝たきりも悪いじゃん」
大丈夫。とか言おうとしたら婦長の目がぎらついたので慌てて否定した。婦長、怖いんだよ。僕の様子に夢歌がクツクツと笑いながら「俺は気にせんといてもええのにー」と言った。というかね、僕一つ疑問があるんだよ。
「なんで、アジア支部の夢歌がここにいるの?」 「……てへっ」 「気持ち悪い」
可愛らしく誤魔化そうとした反応を一言で切り捨てた。未だにリナリーのところにいる室長にむかって「方舟無断利用者」と伝えた。「寂しがってると思ったからきたのに!?」と騒ぎ立てる夢歌に一言、「疲れる」と言って黙らせた。 それから室長と夢歌は退室。去り際に「ありがと」と一言だけ言って布団にもぐりこんだ。「ツンデレえええっ!」という夢歌の叫び声は果てしなくうざかった。
「少しは休ませてってば……」 「でも、花火ったら凄く嬉しそうだったわよ」 「リナリーほどじゃないだろうけどね」
ぷいっとそっぽを向いて言い返す。くすくすと笑っているからちょっとムカついた。僕たちを見て「二人とも、とっても嬉しそうだったわよ」とミランダが微笑んでいたので、少し恥ずかしかった。
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