狼娘物語 | ナノ



部屋をでて、空を見上げた。そこにいたのは、今まで見たことがないくらいのAKUMAの大群。こんなのが、中国にきたら大量な人が死んでしまう。

『イノセンス発動!!!』

全員、各自のイノセンスを発動させてAKUMAを撃墜させる。そこで一つの違和感。アレンが「何だ…?」呟いた。「なにやってんだ、こいつら……。船を通り越してくさ…!?」兎の言うとおり、大群のAKUMAは僕たちを素通りして直進していく。なにがおきているのかわからなくて唖然としていると、「うわっ」とアレンの叫び声。バッと振り返れば。アレンはAKUMAに捕まっていた。そして、それをきっかけにAKUMAたちは僕たちの存在に気づく。

「エクソシストがいるぞ!」
「何だ?」
「あっ、スゲ!」
「人間がいるぞー!!」

一匹のAKUMAが定めた標的はアニタだった。結界装置を使って一撃目を遮り、大柄の女が背後から襲うAKUMAを蹴り飛ばす。そして、彼女たちは上から襲ってくるAKUMAの存在には気づいていない。「っち」舌打ちを鳴らして、僕は地を蹴る。

「お前ら雑魚が……」

ビュンッと炎架を振り上げ風をきる。そのまま、遠心力を利用しAKUMAにぶつける。ドガアンと音をたてて爆ぜたAKUMA。アニタたちにむかって飛ぶ欠片を、もう片方の炎架で防ぐ。ザッと足を地につけ、コートがたなびいた。

「お前ら雑魚が、やすやすとアニタに触れようとすんな」

ぎろっ、こちらを狙おうとしているAKUMAを睨みつける。正直、僕はAKUMAに対して哀れだという気持ちをもっている。彼らは、千年公の呪縛によって、無理矢理この世に縛り付けられている魂の塊だ。魂が、この世に縛り付けられるのは凄く痛いもの。だから、いつもはできるだけ痛くないように、苦しめないように気を遣いながら破壊している。だけど、今は別だ。

「この国はアニタの大切な国だ。僕の大切な人たちがいた国だ。お前らに穢させない」

気遣いもなにもなく、容赦なく、お前らを破壊する。



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