そういえば、一つだけ聞こうと思ったことがあったんだ……。そのために僕はわざわざ正規の道で教団内に戻ろうとしたんだよ。「ねぇ、そこのモヤシ」と白髪に声をかけると「も、モヤシ!?ぼ、僕のことですか?」と返事が返ってきたが、僕はそれをスルーした。
「クロス師匠、何処に行った?」 「(僕の話はスルー……)し、師匠はインドで失踪を……」
段々声が小さくなっていくモヤシ。そして声と反比例して顔はどんどん青ざめる。どうやら彼はとんでもない方法で意識を飛ばされたのだろう。僕も金槌で気絶されそうになったから分かる。
「……逃げられた」 「へ?」
アイツには色々貸しがあったから帰ってきたらとりあえず絞める予定だったのに。だけどアイツ教団嫌いだったから帰ってくる希望もそんなになかったから別にいいや。
「さしずめ、金槌で殴ってから失踪って所か……」 「え!なんで分かったんですか!?」
後ろでなんか言ってたけどほっといて自室へ戻った。だって、アイツ自身には興味がないから。
「アレン君、花火と何話してたの?」 「師匠の行方を……」 「あぁ、あの子クロス元帥の弟子だったものね」 「そ、そうなんですか!?(師匠のことについて聞いたってことは彼女にも借金が……)」
僕が部屋に戻った数分後、モヤシの声が教団に響き渡った。そして、その声により僕の眠りが妨げられ、僕の中でアレンの印象が最悪にまで下がったのは言うまでもない。
やってきたクロスの弟子
(クロス師匠の送ってきた奴……) (アイツの弟子だからどうかと思ったけど……) (眠り妨げたから最低最悪な奴だ!)
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