狼娘物語 | ナノ



本当は部屋に戻る予定だったがクロス師匠がよこしたエクソシストならば少しだけ見てよう。壁にもたれて見ていると、ぱこっと可愛らしい音が響いた。その直後、「もー。やめなさいって言ってるでしょ!早く入らないと門閉めちゃうわよ。入んなさい」と可愛い声もした。バインダーで頭叩くか、普通。

「花火も早く入んなさい」
(い、いつのまに……)

どうやら彼女は僕のことに気づいていたようだ。気づかれるつもりはなかったんだけどな。絡まれると面倒だし。

「あの程度に苦戦するなんて腕、鈍った」

言われたとおりに中へはいるととき、神田ユウの横を通ったのでついでに言っておく。短気の代名詞といっても過言ではないくらい短気なアイツは「んだと、黒豆」と喧嘩を売ってきたので「事実を言って何が悪い?あと僕は黒豆じゃない」と睨みながら言う。アイツも睨み返してきて僕たちの間に火花が散った。周りの人は冷汗を掻いていた。

「二人とも、いい加減にしなさい!」

リーの喝により、しぶしぶと睨みあいを止めて火花はとまった。しかし、僕達の機嫌は直らなかった。



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