「居た……」
しかもご丁寧にAKUMAに銃器を突きつけられて。エクソシストのコートを羽織っているというのに背後がら空きというなら当たり前か。しょうがないので助けてやるか。炎架を取り出し、技を繰り出すと爆風が起こった。
「花火!」 「アレン、反応遅すぎ」 「立てよ。敵さん来たみたいだぜ」
後ろに居たAKUMAをどうしようかと思っていたら、兎が槌で破壊してくれた。が、それはド派手なので当然周りの人間も気付く。「人殺しだ!!」とか騒ぎながら悲鳴をあげる一般人。
「アレン、大通りは人が多くて危ねェよ。アクマに背後をとられる。人間を見たらアクマと思わねーと」 「アレン、今見分ける目、使用不可。極めて危険」 「ご、ごめん。ラビと花火はどうして今……」
ドン、新手の登場により会話が中断された。まあ会話を中断されたところでアレンが何を言いたかったのかなんて容易に分かるんだけどね。
「熱い……」 「なんでそんなに冷静なんですか!」
AKUMAが投げてきた球体のものはとても熱く、もともと低いテンションがさらに下がった。僕は熱いのが嫌いだ。そして寒いのも。陽気でぽかぽかな気温が一番好きだ。春万歳。昼寝日和にちょうどいい。なんて、今そんなこと考えてる場合じゃないんだけど。
「大槌小槌…満満満」
兎の槌が通常の数倍に大きくなった。いつも思うけどあれって重くないのかな。それもやっぱりイノセンスパワー?適合者にはいつもと変わらない重さです。ってやつ?
「こんな大通りでんなモン投げっとぉ、危ねェだろアクマ!!」
ズドッ、大槌振り回して建物破壊するお前も危ないよ。
「器物破損」 「ダイジョウブ、ダイジョブ。コムイが弁償してくれっさ!」 「中の人間、無事?」 「……とにかく場所変え「動くな!!」」
何気のない質問をスルーされ、更には警察が登場した。「連行する来い!」腕を引っ張られた痛みに思わず眉間に皺を寄せた。人間らしかぬ力の強さ。「痛い」と呟くが相手は放す気がないようだ。
「アクマ、触るな」
掴まれていない方の手で炎架を使い、警官を殴った。
「また新手!こいつ等オレ等とドンパチしに来たみてェだな」 「近所迷惑」
溜息を吐いて僕たちは人通りのない場所へ移動するために動いた。
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