「だが断る」 「へ?」 「千年公、敵。絶対嫌」 「で、でも!それだと独りぼっち……」 「結構。千年公の所に行く、クロス師匠に殺される」
既に先手はうたれてるんだよ、リル。僕がクロス師匠の弟子入りした一番最初に脅されてるんだよ。「たとえ何があろうと、千年伯爵のもとにいったらぶっ殺す」ってさ。あのときの鬼の形相を思い出すだけで寒気がする。
「クロス?そんな奴千年公の傍に居れば怖くないって!」 「リル、馬鹿になった。いや、馬鹿だったけど……アクマ、村滅ぼした」 「あんな村どうでもいいじゃん!だってあいつ等は花火ちゃんに酷いこと……」 「それでも嫌。絶対嫌。断固拒否」
確かに村の人たちは僕に酷いことをした。でも、AKUMAは村の人たちだけじゃない。僕の家族も、そして彼も殺した。だいたい、千年公の下に行けば咎落ちになるのは一目瞭然だ。そんな恐ろしい目に遭うくらいなら断固拒否に決まっている。
「それに、そちら側に行けば僕がエクソシスト理由に反する」 「理由って……」 「アクマによって身内殺されて悲しむ人作りたくない」
嫌なんだ。僕みたいにAKUMAによって家族が殺された人を作るのが。
「大体、約束破ったのそっち。今更遅い」
欠伸をしながら言うと、リルだけじゃない全員が間抜けな顔をしてた。数日に続く睡眠不足がどうやら今この瞬間、全てが襲ってきたもよう。……それ以外にもどんな形であれ久しぶりに見た元気そうな幼馴染に安堵したということもあるだろうが。
「アレン、リー。あと頼む。僕、寝る」 「あ、はい…。じゃなくてですね!!」 「なんで寝ようとしてるのよ!今凄いシリアスだったわよね!」 「シリアス疲れた」 「「そんな理由!?」」
それに、もう限界が近づいてきてる。
「霊眼…発動させすぎた……」
ふらりと体がよろめいた。
「リル、君が千年公の下に居るなら敵。容赦なく戦う。覚悟…してて……」
極度の疲労により、僕の視界はブラックアウト。最近の僕は意識を手放すことが多すぎだ。なんだよ、疲れが溜まってるのか?身体にガタがきはじめてるのか? 最後に見たリルの顔は凄く悲しそうで、僕も泣きたくなった。
過去の幼馴染
(リルだっせー、断られてるじゃんかよぉ) (一度決めた道を真っ直ぐ行くっていうのは変わらない…っていうか全然変わってないじゃんー!) (なに?諦めんのぉ?) (まさかぁ、あたしの世界は花火ちゃんを中心に出来てるんだよ。諦めるわけないよぉ♪) (ふーん) (だからねぇ、花火ちゃんの傍にいるエクソシストが排除したいなぁーって♪) (リルってさぁ、ヤンデレだよな……) (えへへへー)
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