「花火!?」「大丈夫ですか!?」僕の異変に気付いた二人がすぐさま駆けつけた。僕は返事を返さない。否、返せない。どくどくと激しく鳴らす心臓で呼吸がままならない。
「うっ…あっ……」 「キャハハハ!エクソシストなのに《悪魔の子》って本当におかしいよねェ!確かアンタの村、アクマの襲撃で滅んだんだっけ?」 「──っ!!」
忌まわしき過去が頭の中で鮮明に浮かび上がってくる。
「アンタの親、アンタを庇って死んだんだよね」 「あ゙っ゙」
目が熱く、思わず手で目を覆った。
「アンタが周りを拒絶するの…独りになるのが怖いからだろ」 「黙れ!!!」
キッと睨み、飛びかかろうとしたがそれは襲い掛かる強烈な吐き気の所為でできなかった。
「うぐっ……あぅっ……」 「花火、目が……」 「黒い十字架……」
霊眼が勝手に発動し、この空間に居る膨大な霊達を見て、耐え切れなかった。なんなんだ、この霊の数は。マテールにいた霊以上だ。どうしたらこんなにも多くの霊を集めることができるんだ。
「ロード!何をしたんだ!!」 「キャハハハハ、僕は何もしてないよぉ」
そして、この空間以上にロードという少女に纏わりつく怨念が固められた霊達が視るに耐えられなかった。
「うぇっ……ゲホゲホッ」
瞳で認識した霊たちの怨念が頭を占めて、頭痛が酷い。
「やだっ……やめっ……」
ひたすら怨念の声がして、頭が割れそうになった。
「おねが……やめて……喋らないで……」 「「花火!!!」」
霊たちの怨念で自我がなくなりかけたときだった。
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