ドオオオオオオオオと地鳴りを伴う大きな爆発音。それと共に「キャハハハハ」と無邪気だが少女らしかぬ笑い声が響いた。
「くっそ…何で止めた!!」
爆発に間に合わなかった。アレンは助けられなかった怒りをリーに向けた。それに対して彼女はバシとアレンの頬を平手打ち。僕は殴られてないけど思わず「痛い……」と呟いて顔を歪めた。
「仲間だからに決まってるでしょ!!!」
涙を零しながら怒鳴るリーにアレンは驚いていた。アレンもまだまだだな。人のこと仲間だとか大切だとか言ってるくせに同じ仲間意識が高い人の気持ちを理解していない。まあ、僕にとっては理解をしたくないことなんだけど。
「スゴイスゴイ。爆発に飛び込もうとすんなんて、アンタ予想以上の反応!」 「《炎風》」
炎架で空気を切り、呟くとゴオオオオッ火を纏った風が少女を襲った。
「何お前?もしかしてアンタもアクマを消滅させて怒ってるって奴?」 「…まさか、アクマ壊した」
その言葉に、ここに居る全員が目を見開いていた。まあそれが普通の反応だろう。あの状況で僕は足一つ動かさなかったのだから壊せるはずがないと考える。案の定少女は「んなわけ……」と否定の言葉を口にする。
「僕のイノセンスの技《炎風》は遠距離攻撃最速の技。欠点、爆風等が大きく周りに被害及ぼす」 「へぇ…なに?アンタもエクソシストなのにアクマを救ってんの?」 「ダークマター消滅。魂成仏不可、悪霊の可能性大。僕の仕事、増加」
AKUMAはエクソシストの仕事。悪霊は陰陽師としての仕事。両立するのは疲れるからなるべくAKUMAで魂を成仏させるのを心がけてるのに…なんていうことをしようとするんだ!
「あー、それが例の《陰陽師》って奴?アンタもアレンと同じ…いや違うか。アクマの魂以外のものも視えるんだっけ?」 「「!?」」 「なんで……」 「炎狼花火。炎狼家の末裔で《霊眼》の継承者。先代の一族と比べても力が大きく、過去最大の記録となる。 そして……」
一旦言葉を区切り、ニヤリと笑いあの言葉を言った。僕にとって禁句。言われたくない言葉。
「村から嫌われ、こう言われてきた。《悪魔の子》ってね」 「ぁっ……」
ドックン心臓が大きく飛び上がり、僕は地に手をついた。
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