何かが弾けたように僕はぱちんっと目を開いた。真っ先に目にはいったのは時計だらけの空間。少し目線を動かすと心配そうに僕を見るアレンとリナリーだった。
「花火大丈夫ですか!?」 「凄い汗よ!」 「……」
心配する声を他所に、僕は起き上がって周りの見渡した。何か凄く懐かしく、そして嫌な夢を見た気がする。どんな夢だったかは覚えてないけど大方あの時の夢だろう。僕が見る夢といえばそんなのしかない。……結局僕はずっとあの時に囚われっぱなしなんだ。
「なに、ここ」 「僕たち、ミランダさんのイノセンスに助けられたんですよ」 「ロットー…イノセンス…発動?」 「えぇ、街を巻き戻してたイノセンスがミランダさんの思いに答えて発動したの」
彼女を見ると、ビクッと肩を震えさせ大げさに反応された。おそらく先日(この街では今日という感覚なのだろうが)言ったことによりどうやら僕は彼女に苦手意識をもたれているようだ。
「……訂正」 「え?」 「前、言った。前に進もうとしない、訂正。イノセンス、ロットーに答えた。ロットー、前に進もうとしてる」
言いたいことだけ言って立ち上がった。その様子をくすりと笑いながら「きっと彼女なりに謝ってるんだと思います」「彼女、素直じゃないから」と困惑するロットーに教えている二人に対して「二人、うざい」と辛辣な言葉を送る。
((う、うるさいじゃなくてうざいって言われた!))
コートのポッケに手を突っ込み、炎架はどうやら無事のようだ。身体も万全。これなら普通に戦える。
「ロットー」 「は、はい!」 「助けてくれて、ありがと」
ロットーの方を向いて、お礼だけ言った。
「い、今の見ました?」 「花火が微笑んだわよね?」 「「凄く可愛い……」」
変なことを言ってる二人を無視して、僕は空間から出ようとした。……僕が気絶する前に合った人物を確認しなければならないのだ。 あってはならないはずの真実を確認しなければ。
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