「……」
こっちを凝視していたのは《ミランダ・ロットー》正真正銘の人間だった。アレンとリーが話を聞いてる中、僕は席の隅で狼我を抱きしめながら先ほどの羞恥あふれる行動をした自分に自己嫌悪でいっぱいだった。もう泣きたくてしかたがない。いっそ誰か僕を殺してくれ。そのとき、霊眼がぴりっと熱くなり反応した。ばっと狼我に埋めていた顔を上げ、コートから炎架を取り出して戦闘態勢にはいる。
「リナリー、ミランダさんを連れて一瞬で店を出て。君の黒い靴ならアクマを撒いて彼女の家までいけますよね?どうやら彼らも街の人とは違う、ミランダさんの様子に目をつけ始めたようです」
僕に続いてアレンが席から立つ。そしてそれに続きカウンター席に居る人達が立った。
「何故ミランダさんが他の人たちと違い、奇怪の影響を受けないのか。それはきっと、ミランダさんが原因のイノセンスに接触してる人物だからだ!」
アレンのイノセンスが発動した。そして、AKUMAも転換した。どうやらこの店に居た人の形をしていたものは全てAKUMAだったようだ。
「それなら好都合」
店が壊れようが潰れようが、誰にも被害は及ばない。暴れたいほうだいだ。
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