狼娘物語 | ナノ



アレン side



初めての任務を終えて教団に帰るため汽車に乗った。……正直言って物凄く気まずいです!向かえに座っている少女はずっと黙っていて、僕は軽く…いやかなり困った。彼女は時々ジュースを飲む動作以外動かない。じっと汽車の窓から外の景色を見ているだけだった。部屋に居ないトマを少し恨みます!!
勇気振り絞って声を出したら、彼女は黙ったまま僕を凝視した。名前を呼んだら呼ぶなと言われ、エクソシストになった理由を聞いたら関係ないと言われ、会話が終了した。
……コムイさんが任務前に言ったことをようやく理解できた。彼女は徹底的にコミュニケーションをとることをしないのだ。
沈黙から数十分、彼女が喋ったので、僕はなんと呼べばいいか聞いたら苗字と言われた。名前の雰囲気が神田と似てるので、言ってみたら彼女の持つ空き缶が悲惨な姿になった。
……あの二人は仲が悪いんですか!?僕の見る限りじゃ、神田が一番コミュニケーションとってる気がするんですけど!神田が僕に対しては棘があったが、彼女に対しては少し柔らかかった気がする。あくまでも第三者から見た感じなんだけど。
仲間だから名前で呼びたい。そう言おうと思ったら、彼女は僕を射抜くような目で仲間扱いするなと言った。
仲間なんかいらないと彼女は冷たく言った。それを僕は自分に言い聞かせてるように見えた。
……本当にいらないんですか?だったら何故貴女はそんな悲しそうな目をしてるんですか?僕は今にも泣きそうな顔をしている彼女を思わず抱きしめたくなった。



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