「モヤシといい、黒豆といい……テメェ等に大事なものは無いのかよ!!!」 「大事なものは…昔、失くした」
神田ユウの言葉にモヤシは悲しそうな表情でいった。知ってるその辛さと苦しみを。大切でしかたがない、心の支えだった人を失ったときの恐怖。だから、僕は大事なものをつくらないようにしているんだ。
「可哀相とか、そんなキレイな理由あんま持ってないよ。自分がただ、そういうトコ見たくないだけ。それだけだ」
つくらないようにしようと思うのに……。
「僕はちっぽけな人間だから、大きい世界より目の前のものに心が向く。 切り捨てられません」
この人を見てると……
「守れるなら守りたい!」
折角独りが慣れたのに、独りを拒絶したくなる。独りから抜け出して、今許しかけている人たちと一緒に笑いたいと思っている自分がいる。 その瞬間、一瞬の出来事が起こった。
後ろからララたちを突き刺され、ララたちが引き込まれた。「グゾル…」そう呟くララだが、次に放つ言葉はなかった。
「ぁ、ぁ……」
蘇る蘇る昔の記憶。 AKUMAに惨殺された僕の家族、たった一人の友達。 ララとグゾルが昔の出来事と重なって見えた 。
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