「神田殿」 「……おい、黒豆。お前はここにいろ」
ファインダーが戻ってきて、神田ユウが僕にこの場をまかせて行った。やれやれ、本当にアイツは馬鹿だ。そんなこと言われてはい、そうですか。って素直に僕が言うこと聞くわけなじゃん。もっとも、彼は僕の性格上こんな行動に出るなんて考えてもいなかったからの行動なんだろうけど。 「今のうち、逃げれば」その言葉が予想外だったのか、彼女は「え?」と声を漏らし、彼は「いいのか?」と疑うように聞いてきた。
「最後まで一緒にいたい。いけば……」 「私、ララ。貴方は……?」 「……名前、聞いてる暇あれば早く行けば?」 「あ、ありがとう」
人形に…ララにふんわりとした笑顔でお礼を言われて、僕はそっぽを向いた。そしてララ達はこの場から逃げた。 その数分後してから神田ユウが戻ってきて「なっ!二人がいない!!」と声をあげた。
「てめっ!なんで見張ってなかった!」 「見張ってろ、言われてない。黒豆、人物、此処不在」 「考えりゃ分かることだろ!!」 「睡魔強烈。わかんない……」
言われて言い返せば、相手が怒りで震えてるのが分かった。まあ当然の反応だろう。AKUMAがうじゃうじゃしてるなか非力なイノセンスと人間を野放しにしたのだから。獣の集団のなかに抵抗手段がない草食動物を放り込むようなものだ。
「お前いいか「あ、後ろ……」!?」
僕の指した先には左右対称のモヤシ…アレン・ウォーカーがいた。
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