【ごはんですよ───ッ!!!】
うるさい。大声で僕は目を覚ました。瞼を開ける前にうるさいと頭の中で舌打ちをしながら思ってしまったじゃないか。耳を傾ければ、ぎゃんぎゃん騒ぐ兎の声。視線を横にずらすと、スクリーンが現れて映し出していた。【ユウッ!!】と喜びの声をあげる兎とそれに対する舌打ちが聞こえた。無事、だったんだ。ボーっと天井を見つめながらホッとする。
「目ェ、覚ましたか」 「馬鹿でかい声で」 「そうか」
会話が途切れた。謝らないと、口を開こうとしたら「謝ったら殴る」と脅された。もう、いい。そこまで言われたらもう謝んねぇ。本来やるはずの仕事の途中で離脱したけど反省してやんねぇ。
【花火はいないさ?黒豆花火やあああっ!】 「誰が黒豆だ、馬鹿兎!!!たたっ斬るぞ!!」 【うお!?花火がユウみたいなこと言ってるさ!?】 【テメェはさっきからファーストネームで俺を呼んでんじゃねえ!】
馬鹿兎をたたっ斬るために炎架の変形は完了させた。さっさとこの部屋から出てあの馬鹿兎を微塵切りにしてやる……!
(ははは……花火が黒く燃えてる……) (神田のときはそこまで怒らないのに……) ((絶対に花火を黒豆なんて呼ばないようにしないと!))
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