「ど、どういう、ことですか?」 「この子たちの名前って……」 「よくよく見れば、この少女の瞳の色が花火に一緒である!」
クロウリー(だったっけ?あまり関わりがないから自信が無い)の言葉により、アレン、リナリー、チャオジー(こちらも自信がない)が僕と小さな僕を見比べる。バッバッと何回も見比べて、指をわなわな震わせていた。とっくの前に確信を得ていた僕とユウは「懐かしー」「まだ、素直さあったころか」「クロス師匠に叩き込まれてないから」と暢気にする。昔の僕は胸まで髪あったんだよなあ。アジア支部の一件でばっさり切ったけど。
「で、どっかで見てるんでしょ?いい加減出てきたら、リル」 「えへへー、花火ちゃんに呼ばれたらでてきちゃうー!」
ひょっこりと、木から顔をだしてリルが現れた。褐色色で、額には聖痕が浮き上がっている。ノアの姿……つまり、戦闘はいつでも可能な状態で。ノアの出現により、各自が構える。僕は構えず、リルをみつめる。そんな状態にも関わらず、リルはニコニコと笑顔を浮かべている。
「なにがしたいのかな?」 「小さい頃を思い出してもらえばこちら側になるかなーって」 「残念賞。あいにく、こっちは絶対帰るって約束があるから」 「……花火ちゃんの足枷は、そいつらだよね。だったら殺して消せば、いいんだよね!!」
バッと手を伸ばして大声を出した。どんな仕掛けがあるのかは知らないけど、その手から強風のようなものが吹き、僕以外の者を全員村に建つ建物に叩きつける。木材造りの建物はグシャアッと破壊された。気がつけば、先程までいた小さな僕たちも、村人もその場から姿を消していた。
「いってー……」 「なにが起きたんですか……?」 「強風なものが突然……っ」 「背中が痛いある」 「っち」 「……皆、大丈夫?」
この程度でくたばらないと分かっているから、僕は冷静に問いかけることができた。ぱらぱらっと彼らは木材の破片から起き上がった。それを見て「邪魔なんだよ……」低く、唸るようにリルが口を開いた。ざわざわと、リルに反応するように風を吹き荒れ始める。
「お前ら皆邪魔なんだよ。理解したように花火ちゃんに語りかけんな、触れんな。花火ちゃんはあたしのだ。あたし以外が馴れ馴れしく近寄るな!!」
随分身勝手なことを怒鳴る奴だ。半分ヒステリックもはいっている。だけど、今はそんなことをのんびり言っていられる場合じゃない。リルの怒りに反応してなのか、風が渦巻き大きな竜巻が発生したのだ。
「消えちゃえ消えちゃえ消えちゃえ消えちゃえ消えちゃえ消えちゃえ消えちゃえ!!花火ちゃんに近づく奴なんで皆消えちゃえ!!」
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