神田ユウとファインダーの言い争い(とはいってもファインダーの一方的ないちゃもんだったが)に割り込んだモヤシは神田ユウと険悪な雰囲気になり、ごごごごごごっと効果音をたてながら後ろに炎を出しながら睨み合っていた。
「力があってアクマと戦えるお前等と違って、俺たちファインダーは力がない状態で戦ってるんだぞ!なのに、なんでお前はそんな冷たい事がいえるんだ!」
モヤシに助けられてしゃがみこんでたファインダーが声を荒げて言った。周りのファインダーも賛同の様子で頷いている。それに対して神田ユウは冷静に、しかし少しの怒気を込めて「なんだと?」と聞き返していた。
「俺たちはお前等と違って力もない状態で世界を守ってるんだぞ!お前等は俺たちの恐怖を知らないんだろ!!」
その言葉には神田ユウもアレンも目を見開いた。僕はその言葉を聞き逃せなくて怒った。かつかつかつと騒動の中心に向かって歩いていき、近くの空いている席にキツネうどんを置いてから許せない言葉を放ったファインダーのもとに歩み寄った。そして僕は「じゃあ、辞めれば」と睨みながら言う。「なっ!?」と驚いた声をあげていたが僕はそれを無視して言葉を続ける。
「ファインダーの恐怖を知らない?怖いなら辞めればいい……。雑魚は尻尾を巻いて逃げれば……」
その言葉はファインダーたちを怒らせるのには十分ようで、「え、エクソシストのくせに俺たちのことを……」と呟く。黙れ、そう言うようにぎろっと睨めば周りは息を呑んだ。
「ファインダー、居なくてもエクソシスト、戦える。むしろ邪魔な人が消えて…満足。エクソシスト、楽してる…お門違いなこと思うな。あんたたちファインダー、戦争から逃げ出せれる。 でもエクソシストに逃げ場なんてない」
戦うのがどれだけ辛くて、逃げ出したくても、僕たちは逃げれないんだ。神に選ばれたとか、宿命だとか言われて教団が逃がしてくれない。イノセンスをもってるだけで千年伯爵に目をつけられて戦争に巻き込まれる。イノセンスを手にした瞬間、エクソシストは戦わないという選択を最初から与えられていないのだ。 「それを知った風に馬鹿にするなら……」ゆっくりと、焦らすように歩み寄りファインダーに近づいて喉に手をあてた。そしてこの戦争で学んだ、殺気を込めて言い放つ。
「僕は君を殺す……」
食堂は殺気と恐怖により沈黙で包まれた空間と化した。こんな微妙な雰囲気のなかで食事をすると不味く感じるのでテイクアウト、キツネうどんは部屋で食べようと思い、食堂から出ようとしたが、「お、花火もいた」タイミングが良いのか悪いのか、科学班の班長が呼んだ。
「花火と神田とアレン!10分でメシ食って司令室来てくれ。任務だ」
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