短編 | ナノ

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この街には、数百年前からある伝説がある。

「街外れのあの大きな屋敷には吸血鬼が住んでいる。」

吸血鬼とは色白な肌に白髪で赤い瞳。そして発達した犬歯、牙を持っている。
彼らは動物の生き血を啜り生きていく。特に人間の赤い血が大好物である。
血を吸われた者は半吸血鬼となり、永遠の命を手にいれる。

…と、こんな感じに常識として数かぞえや文字より先に教わるのだが、実際は違う。

確かに、色白で白髪で瞳は赤いが、血は吸わない。

―――常に飴を舐めているだけだ。

 



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テーマ「人外ファンタジー」
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