短編 | ナノ

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コイツは分かっていない。

俺に血を飲まれば、もう今までの日常には戻れなくなってしまう。

突き放さなければ。

そう思っているのに、コイツから香る芳しい香りに俺の理性は揺さぶられる。

「…っ」

「我慢しないで。イザギ。俺は平気だよ。不老不死だって怖くない。その分、イザギと一緒に居れるんだ。」

俺に抱きついていたソイツが顔をあげ、俺に微笑んだ。

俺はその顔に片手を添える。

「バカだな…カナトは。どうなっても知らんぞ?」

「平気だって。」

「……仕方ない、そのかわり条件として、」

俺は顔をカナトの耳の横に持っていく。



「一生俺のモノになれ。」


君がいる
(もう手放さないからな。)





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テーマ「人外ファンタジー」
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