text | ナノ







ギシギシ、とベッドが悲鳴をあげる。制止を促す痙攣する細い腕。そんな弱い力じゃ私を止められるはずないから、放っておいたけど。まぁなんて儚い手なんだろう。白くて、細くて、それこそ私みたいな汚れたのに犯されて侵されるために有るんじゃないかと思うくらい。




「バーンは、さ」



「ん、うっ…やめろ……あっ…」



「いつになったら、私の子供を孕んでくれるんだろうって、いつも思う。やるたびに中出ししてるのに、何で、…はぁ、」



「……んっ、あ俺は…女じゃなっ……ひゃああぁっ!!!」


熱いものを最奥に注ぎ込むと、ナカの肉がひくついて、ぎゅっと離させまいと締め付けた。穴から精液が伝い落ちる。バーンは泣きながら何度目かわからない絶頂を迎えた。虚ろな目で涎を垂らしながらぴくぴくと震える様は絶景だった。




「………こんなに奥で、何回も何回も溢れるほど出してるのにね。私がバーンと繋がった形が欲しいのに…。」



「………も、無理…殺せよ……どうせ犯し殺す、つもりだろうが……」



「そんなことしたら君は身籠らないだろう?」



「……っ現実見ろよ…!そんなことしなくたって俺は子供なんか産めねえんだよ!」


必死に説得をしようとしているバーンを見て、頭の隅で何かが途切れた。



「っうるさいうるさいうるさい!!黙れ!!」


熱を放ったばかりのナカをぐり、と突くと、下からは嬌声しか聞こえなくなった。それでいい、煩わしい声はいらない。
何も聞きたくないから律動を速める。途端にナカの感度と温度が上がって、奥を突くほど熱く絡み付いてきゅう、と締め付けをする。なんて淫乱な躯をしているのだろうと思う。(だからバーンが好きだということもあるけど)

他の人になんて絶対見せてやらない。この白い肌も金色の目も燃えるような赤い髪も全部私の物。



「………ひゃァン!、んあ、あっァ、もう、嫌だ…、ぅあ、あっ、やだぁあ…っ」



否定の言葉ばかり言うので、煩わしくて赤く色づいてぴんと立った乳首を思い切り噛んだ。その途端バーンは激しく泣き叫んで暴れだした。やめろだとか痛いだとか馬鹿の一つ覚えみたいに喚き続ける。
頬をひっぱたくとおとなしくなったが。



「い、…やぁっ…お、れは…ふっ、お前、のもの……あァ!、じゃな…うあ…い」



「…私のもの、だよ。それじゃ何?グランのもの?ヒートのものなの?…そのとき殺すのは君じゃないよ。」



くすくすと笑ってやるとバーンは色気を含んだ声でただ、畜生とだけ呟いた。
快感に持っていかれそうな汗の滲んだ首筋をつつつ、と舐めると、は、ぁと切なげに洩れる吐息。伏せられてふるふると震えるまつ毛が艶めかしい。


そのまま噛み付いたり跡をつけたりと繰り返す。
バーンはこの行為が一番嫌いだった。私がわざと見えるところにつけたりするので相当参っていたようなのだ。案の定眉間にしわをよせて身じろぎをしている。黙れ、と意思を込めて奥をぐりぐりと突くと息をつめて身を強ばらせた。



「やだっ…グラ、んにまたァ、見られちゃ、あン、」



「見られちゃ嫌なの?」



「……ふぇ、う、ァグランに吸われっ……、!」








バーンの上気していた筈の肌が真っ青になった。私の思考回路を何かが一気に走り始める。バーンは言ってはいけないことを言ってしまったのだ。馬鹿だ、馬鹿だと心のなか呟き続ける思考回路。何をしているんだ、
止める律動。



怯えと恐怖のうかがえる瞳と逃げようと上がる上体。頭を押さえ付けて逃げるな、と凄みをきかせると力が入ったのか肉壁が絡み付いた。


ぐぃ、と私の冷えた手がバーンの首を柔らかく掴んだ。ひゅ、と鳴る喉など構わず手がのびる。喉が圧迫して、余程痛くて苦しいらしく、私の腕を掴んだ細い腕が動かない。馬鹿馬鹿しいが、こんなときに下半身がずくりと疼いた。溶けそうなくらい熱いものを再び感じたのだ。実際バーンのナカは熱くてきつくて溶けそう、というか融けそうなのだが。人間は命の危機に立たされると性欲が増幅するらしい。確かにいつもより快感はあるかもしれない。

私は別にそこまでサディズムなわけではないのだが、これはこれで「お遊戯」として楽しめるとは思った。




「――――――んっ、」



「グランに見られたら早くその場から離れろって何回言えばわかるんだ」



「ちがっ…ぁ、グラ、ンが、いきな…り…っ」



奥に熱いものを流し、ずるりと抜く。栓を失ってがばがばした孔からはとめどもなく白濁が零れ落ちた。バーンは羞恥にきゅ、と後孔を締める。と、同時に首から手を離す。一気に酸素が流れ込んで、バーンの肢体は崩れ落ちた。



「……げほっがは、ぅ…あ」



躯が上下するたび白濁がごぽりと出る。私は未だ収縮の止まらない後孔を愛しい目で見た。自分好みの躯になったとは思う。あとはその躯が受精というものを覚えればいい。
強引でもいい、バーンが離れられなくなればいい。




「今度こそ、ねえ、ここまでしたらさ…孕むだろう?」



「…………。」



「そうしたら、グランなんて…見下してやる……。お前が欲しかったものは既に私が侵食した、とさ」



「…………、その前に俺がくたばることを忘れるなよ。俺はきっとお前に殺される」






そういうところさえ無ければ、お前のことが好きなのに。と言った細々とした声は私には遠く届かなかった。



























深く愛しすぎて
(私は何を見ているのか分からなくなった)































妊娠への異常な執着+バーンには子供が出来ると信じている気の狂ったガゼルとどんなに辛いことを強いられてもガゼルを嫌うことが出来ないバーン
























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