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「って、何で、あんたが寝てるわけ……」




ふと目を覚ますと隣には恋人が寝ていた。おはようも言えないのか、あんたは。布団から出るのも億劫なのでとりあえずグランに寄り添ってみる。普段はあんなに冷たい手してるくせにずっと一緒に寝ていたせいかとても温かかった。いや…くそ、やっぱり熱かった。なんだよ、こんなときにいきなり触られてびっくりする、あの体温が恋しくなるなんて。




「…おい、起きろバカグラン」



返事はない。はぁ、とため息を大げさについても反応なし。バカだこいつ、何俺の前で熟睡なんかしてるんだ。変なことされるとか考えねーの?油性ペンで顔に落書きとか。




「おい、顔に落書きすんぞ」



………ダメか。俺の声でも起きないって



「デコに肉って書くぞ」



これもダメ。



「……愛してるって書いたら、どうする?」



……あ、起きねえ。というか反応がない。なんだ、本当は起きてるとかいうオチじゃねぇのかよ。まぁ起きてなくてよかったとは思うけど。



「あーあ、つまんねぇの」




ぐりぐりとグランの額を押すと、不意にグランが痛いと口に出した。



「バカは君だよバーン、俺が本当に起きてないと思ったの?」



「はぁ……、やっぱりかよ、」



「ばっちり愛してるは聞いたからね。」



「ちょ、ちがっ…それはデコに書いたらどうするって話で、」



「何でそんなこと書かなきゃならないの?」



「………。き、気分だ気分!」



「………そう、俺も愛してるよバーン。」



「……………うっせ、」



ああ、その全てを見透かした綺麗な笑顔がむかつく。グランはもぞもぞと寄ってきてキスをしようとしたみたいだけどべちんって顔に張り手してやった。ざまあみろ!



「酷いなぁ…おあずけ食らうのは好きじゃないんだよ」



「し・る・か!大体お前が寝たふりしてるから悪いんだろ」



「だってバーンが、何してくれるかなと思って」



「……はぁあ。おい、ちょっとこっち向け」



「?」




グランの耳元に顔を近付けて大声を出してやった。咄嗟に身を引こうとするグランの顔をつかんでほっぺにちゅっと音を立ててキスをする。呆気にとられたグランの顔が面白くてつい吹き出した。








「へっ、ばぁか」




嫌味ったらしく笑ってやるとグランは上等だね、と受けて立つとでも言うように微笑んだ。

そしてゆっくりと俺の頬に手をそえて顔を近付けた。






夢よりも甘い現実を















‐‐‐‐‐‐‐

私にはキスに走らせる悪い癖がある



title:確かに恋だった























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