text | ナノ
※なんかもうおかしい
※ちょっとだけ涼南ぽい




友達というより、天使、神、宇宙のような存在なのである。





「馬鹿みてえ」


「君には理解出来ないだろうね」


「お前、なんかこええよ」



南雲は眉を寄せてあからさまに引いた。まぁいいさ、どうでも。
俺にとって円堂君が全てだ。全てで大きくて寛大でそれ以外何も見えなくてああぁ、綺麗だ。洗練された笑顔だ。あの笑顔でどのくらい俺が救われたか君には理解できるかい!南雲!できないだろうね、そんな表情をしているなら。


「…………。」


「何処か行くの?」


「涼野んとこ。これ以上お前に付き合ってらんねえ」


「そう、残念」


「何がだよ、一日中円堂守のこと考えてる奴が何言ってんだよ」


いよいよ南雲は機嫌が悪くなった。もしかして、嫉妬?



「ふぅん、可愛いところもあるよね」


「……お前、本気で気持ちわりいぞ」


「そうかな……。俺は普通に生きてるつもりだけど」


ずい、と顔を近付けると南雲はびっくりして顔を遠ざけた。円堂君はこんなことしても笑ってるのになぁ。どうしたヒロト、なんて言いながら、あの笑顔を見せるのになぁ。目の形も、顔の輪郭も、髪の色も全部、全て違う。全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て
俺にとって円堂君が全てだ。なのに南雲は俺といる。俺は南雲といる。共通点は?わからない。何も同じものなどないのに。



「お前…何考えてんのかわかんねぇよ…」


「いいよわからなくて。……こっちもね、分からないことがあるんだけれど」


「何だよ」


「俺は全て円堂君なのに何で一緒なのは君なんだろうって」


「…待てよ、順序良く喋れよ、訳わかんねえ…。」


「だからね、俺は円堂君を畏敬していて宇宙なんだ。なのにね、いつも君といるんだよ。何でなんだろうね。だって、畏敬もしてない。たまに軽蔑さえするよ。」


「最高だよお前。殺すぞ。…お前、円堂守の話が絡んでくると言葉の意味が通らなくなるな…。病院行けよ」


「おかしいな…。俺普通に話してるよ?」



失礼だ。人を異常者みたいに。全く、全然似てない。円堂君はこんな人を傷つけるようなこと言わないからだ。円堂君円堂君円堂君円堂君、円堂君!




「大体な………俺と円堂守、似てるわけないし比べるなよ馬鹿。何かお前の中で重なるものがあるんじゃねぇの。……じゃ、俺もう行くわ。」



ばたり、と閉まる自室のドア。何か違う。違う。円堂君はいなくても俺を満たした。否、満たしている。しかし南雲は目の前にいなければ俺を満たさなかった。突然に、唐突に南雲を求める。南雲、南雲南雲南雲南雲南雲南雲南雲南雲!頭の中は円堂君ではなかった。



ドアを勢い良く開けて、南雲の元へ走る。何で、南雲のためにこんなにも頑張っているのだろう。南雲の腕を掴んで、床に引きずり倒した。南雲に馬乗りになる。



「何だか知らないけど、南雲を犯したい」


「っ…!?な、何考えてんだよ……!やめろ……!」


「円堂君にはこんなこと絶対に出来ないけど、君にならできる気がするんだよ」


「助けっ…くそ……誰か……!」


「何で泣くの?俺は見つけたよ。畏敬と愛惜は違うんだ。ねえ、南雲」


「いやだあああぁ!!すず、のっ…涼野―――!!」



神宇宙笑顔友達全て畏敬愛惜馬鹿情欲嫉妬一緒哀れみ軽蔑病院普通異常円堂君、

南雲?





















涙とアレでぐちゃぐちゃになった南雲を風呂に突き飛ばして、俺は廊下をぶらぶらしていた。相も変わらず、俺は円堂君のことを、畏敬しています。
やっと分かった。円堂君は畏れ多くて愛することなんて出来やしない。あれは愛する道具なんだね。俺が愛に飢えないための道具なんだね。そうなんだね円堂君!



「はぁーあ、こんなことで悩んでたなんて」


「何の話だい」



ふらりと後ろを見ると涼野がそこに立っていた。円堂君じゃあないのか……。つまらないなぁと思いながら口を動かす。



「別に…何でもないよ。それよりも何の用かな?君から話し掛けてくるってことは何かしら用事があるんでしょ」


「馬鹿南雲が何処か知りたい。あの馬鹿技を完成させたいから練習付き合えとあれ程私に付き纏ってきたくせに………」


「風呂で泣きながら体洗ってるんじゃない、きっと」


「、」


「どうかした?」


「何だいその返答、まるで今状況が分かるみたいに」


「分かるよ。さっきまで一緒にいたから」


「―――――――。」


「畏敬と愛惜の違いを教えていたのさ」


「フン、風呂に入る必要があったのはその所為みたいだね。」


「円堂君と南雲の違いを理解するのに必要だったんだよ、つまり円堂君を純粋に崇拝してたんだよね」


「…君はとち狂ったのかい」


「みんなそんな様な事言うけど、至って普通だよ」


「気持ち悪い、早く南雲を返せ下衆」



いつから君のものになったの、とは言わない。残念ながら南雲と違って涼野には円堂君と同じにおいはしなかった。なるほど、抱きたいとも思わない。



「っこんな奴に何故南雲は入れ込んでいるんだ…!私の方が幸せにしてあげられる安らかにしてあげられる一緒にいてあげられるのに…!」


「……へえ、いやに焦ってるね。じゃあ、」


キスしてあげるよ。一瞬だけ涼野の唇に触れた。瞬時に飛んでくる平手をもろに受けながら、俺は笑っていた。にやけて、とまらない。豪快に笑って笑って笑って、床に転がった。




「…はー、どう?さっきまで南雲とキスしてた唇だよ」


「何が“と”だ。気持ち悪いに決まってるだろう!」


「ふ、ふふ…だよねえ…でもね…南雲は俺の事が好きなんだよね…お互い報われないよね」


「っ君なんて大嫌いだ!…あの円堂守に入れ込んでから…君はおかしい!あいつが何かしたのか!?」


「円堂君が?何もしてない何もしてないよ」



「…………君は…何という目をしているんだ…」


「君も何を驚いているのさ。円堂君を悪く言う奴は」






















さよなら。

(首に両手を添えた君の表情には初めて興奮したよ!)

(でも円堂君の笑顔には遠く及ば 神友達


あれ?俺の好きな人って誰だっけ?













これヒロトは周りが見えていないんでほとんど後半他人の行動の表現がないんですが……逆に伝わりにくい……な……。
いい具合の狂気は難しいものがありますね。さよ教やスクールデイズを見習うべき

とりあえず恋愛対象は南雲なのに円堂病なヒロトがいいと思います
むしろ私が病気
そして涼野はとばっちり

















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