1ガゼル→バーン
2ゴムを使わないガゼバン
3鬼畜ガゼル様
ぬるいです
状況が、展開が早過ぎてついていけない。俺は自分の部屋で一人雑誌を読んでいて、ふと眠くなってうとうとと船を漕いでいたのだ。ぎし、とベッドに別のものの重さを感じて、ぼんやりと目を開く。俺の上に乗っていたのは、紛れもないガゼルだ。あまりにびっくりしたせいか咄嗟に喉から声が出てこない。ガゼルの瞳は鈍よりとして、影を落としていた。いつものガゼルじゃない。整った顔をしているので一層陰鬱そうなオーラを醸している。だからと言って体調が悪そうだとか、そんなことでもなく。何だろう、これは。何と言ったらいいのだろう。表現しにくいが、嫌な予感がする、というかそれしかしない。
「………な、何だよガゼル。寝呆けて部屋でも間違えたかよ」
「………………。」
何で無言なんだよこいつ。…気味が悪い。そういえばグランに夢遊病というものがあると聞いたことがある。もしかしたらその一種なのかもしれない。今は夜中なのだろうし、寝呆けていても仕方ない。仕様がない、俺が部屋まで連れていこう。
ガゼルを押し退け体を起こそうとすると、ガゼルを押した手を掴まれてベッドに押し戻された。ベッドヘッドに頭をぶつけて激痛に目を閉じる。いてえ、くそ、何だっていうんだ…!再び目を開けると、じっと、ガゼルがこちらを見据えていた。自分がまるで石になってしまったようで、動けない。ガゼルが怖い。生気を無くした瞳がじっと俺を、見ている。何も言わずに。何だよ、何なんだよ。いつもみたいに悪態吐けよ。何でもいいから、何か
「バーン」
凛とした声が響いた。ガゼルを恐る恐る見ると、相変わらず生気の無い顔でこちらを見ている。
「……………んだよ」
やばい、声が震えた。ガゼルはそんなこと気にしていないと言うように俺の頬を撫でた。それから急に何か思い出したかのように眉を寄せる。
「……………バーン、私はもうずっと前から考えていたんだよ。」
「…はあ?訳分かんねえ。いいからそこを退……」
「どうしたら君が私を好きになるかを、さ」
「……………はぁ!?」
信じられない言葉に素っ頓狂な声が出る。はあ?何を言っているんだこいつは。ガゼルはその後さっきと何ら変わりのない目で、何か呟き始めた。
「ねえバーン好きだよとても好きだ何でわかってくれないのずっと一緒にいるのに傍にいるのにこんなに触りたい触れたい襲いたい犯したいそうすれば私のものに」
ぴたりと、ガゼルの動きが止まった。おい、最後の方、何かやばい事…。俺はガゼルの腹を思い切り蹴ってベッドから飛び出す。しかし何かに躓いて転んでしまった。何だこれ、…ら、ぶ、ろーしょ…ローション!?
思考が、駄目だ、何も考えられない。色々と衝撃的なことが起こり過ぎて目眩がする。何故、ガゼルは
やばい此処からでないと
とりあえず 一番近い グランのとこ
「……………ぐはっ!!」
背中に重い衝撃。ガゼルが馬乗りの状態らしい。痛い、腹が痛い。耳元でガゼルの荒い息を感じた。前ドラマで出ていたストーカーの男を思い出す。
「…決めた。バーン、今から君を」
オカス。
いつもと変わらない声が危険な言葉を発する。嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ怖い
ガゼルが上に乗った状態で俺は暴れに暴れた。しかしガゼルも意外と力が強く振り切れない。嫌だ、もう、駄目だ。腕が痺れて動かなくなってきた。それに感付いてかガゼルが俺を仰向けにする。足も、感覚がない。
「何だよ、くんなっ、…近付くなよ………!」
「バーンと繋がれば、バーンもきっと分かってくれる」
「…やめっ、やめろ!!触るな!」
れーいぷ
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熱い。ずっとヤってなくて欲求不満だったのかもしれないが、妙にガゼルが興奮しているのが分かる。正直、だるかった。次の日には大事な試合が控えているというのに。だから無理をしたくないから、後処理の手間を省く為にコンドームをつけるという約束で、したのに。
「あ、」
「…んっ、だよ…」
「破けた」
「はあっ!?…んっ、抜けっよ……」
「………」
「ちょっ、…おま、正気…――!」
がつん、がつん。痛いくらいに奥を突かれて目の前がちかちかする。嫌だ、駄目、出すな、何だこいつ。人が嫌だっつってんのに、自分の気持ち良さの為に無視か。大変なのはどっちだと、あ、やばい、そろそろ…駄目かも…。
「やっ、だ、いくぅ、あ、もっ……!」
「くっ…私、も、」
「やっ…だ…!出すなよぉっ……!ふっ、」
「……っ」
どく、とナカのものが脈打つ。射精の快感と共に一際熱いものが内壁に当たった。畜生、やっぱり。だから嫌だったのに。
「……………クズ」
「そこまで…言うこと…無い、だろう。」
「馬鹿、ろくでなし、ゴーカン魔、…くっそ」
怠惰が体を渦巻く。気を振り絞ってナカにいるガゼルを引き抜く。力が抜けて倒れそうになったが、早くシャワーが浴びたかったのでバスタオルを手にとって風呂場に向かった。どこもかしこも、ガゼルのにおいがする。
「…おい、ガゼル。」
「………何だ」
「お前とは、金輪際、ヤらねえ。」
Side.G
次の日、私はグラウンドにガイアとプロミネンスの観戦に来ていた。全く、あんな事で一生のお預けを食らうとは。
しかしあんなに頑なに中出しを拒否されたのは、思えば初めてだったのかもしれない。大切な試合に響かせたくないと言っていたし、私もその点には同意した。が、私にとって久し振りの行為であったことも考慮してほしい。男として中に出したいものは出したいんだ。
結局プロミネンスはガイアに負けた。試合終了のホイッスルが鳴った時のバーンの表情と言ったら。
…いつか私の手であんな表情をさせてみたいものだ。
「試合はどうだった?」
「負けた!お前もどうせ見てたんだろ?いちいち聞くなんざ、ホント趣味の悪い野郎だな」
「…違うよ、試合に響かなかったかと聞いているんだ」
「えっ……」
バーンは酷く面食らった顔をして、こっちを向いた。下に視線をやってから、小さな声で別に、と返ってきた。そう、ならよかったよと返すと途端噛み付いてくる。…可愛いのなんて、一瞬だけか。
「良いわけあるかボケ!ガイアに負けたんだよ畜生!…あー、最悪。このままじゃガイアがジェネシスになる…。」
「何を勝手に決めてるんだい。ダイヤモンドダストに決まってるだろう」
「それ本気で言ってんなら笑いモンだぜ?」
「何とでも言うがいいさ、私はまだグランと戦っていないのだから」
バーンが嫌味たらしく笑う。はーあ、本当に可愛くない。知ってたけど。
怒っていたことをすぐに気にしなくなるバーン
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今夜部屋に来い、と言われたのでガゼルの部屋に行った。正直行きたくない。最近ガゼルが恐ろしいのだ。でもそんな気持ち悟られるわけにはいかないので、俺は気丈な顔でガゼルの部屋の戸を閉めた。
「……んで、何するっつーんだよ」
「そんなの一つしかないでしょ」
「……………いっ!!」
いきなりベッドに突き飛ばされた。嫌だ、したくない。痛いことは嫌だ。俺は起き上がろうとしてベッドに腕をつく。すると思い切り腹を殴られた。いてえ、ばっかじゃねえの、今の本気だっただろ……!
「……げほっごほ、…は、あ」
「あんまり抵抗すると痛いセックスになると思うけど」
何だよ何だよ…抵抗しなくたって痛くするくせに…!俺は腹を押さえながらそっぽを向く。したくないんだ俺は。すぐ近くでため息がもれた。
「……私苛ついているんだ。私が今から挿れるとこ血だらけにしたくなかったら、さっさと下脱いでくれない?」
「やだっ!八つ当たりかよ、俺は帰る!やらない!」
「……………馬鹿じゃないの」
ガゼルの手が俺の首にのびた。これは、首を絞められる!何回死ぬ思いをしたかわからない。俺はその手に噛み付いた。がりり、と骨張った手に歯が食い込む。ガゼルは大して表情を変えなかったが、眉間に少しだけ皺が増えた。やばい、これは怒らせた。
俺はすぐにベッドから降りようとした、がガゼルに髪を引っ張られ逃走も失敗に終わった。ああ、終わったな。きっと部屋に戻る頃には下は血と精液だらけなんだ。
「嫌だっ………!この強姦魔!放せ畜生!」
「強姦魔で結構。…どうやら痛くしてほしいようだねバーン。好都合だよ」
私、今すっごく何かを傷つけたい気分なんだ。
そのガゼルの言葉にぞっとした。何で、その標的が俺なんだよ…!振り上げた腕はものともせず掴まれ、もう片方の腕と一緒にベッドヘッドに手錠で繋がれてしまった。くそ…この手錠を使われるのも何度目だろう。腹が立つ。
俺は抵抗の意を込めてがむしゃらにガゼルを蹴った。鬱陶しそうに足を受けとめるガゼル。やめろ、くんな!
「こっちくんなよおっ…!嫌だ、嫌だあああぁ!」
このあとはご想像にお任せします
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