text | ナノ
※涼南ぽいです
※ヒロトが酷いので注意

あまり性描写はないです















馬鹿みたいだね。可愛いなあ、目真っ赤にしちゃって。



「あっ、や、だ、あァ、も、こわれ、る…っひぃ、ん」


「ねぇ、トイレの前に誰かいたらどうするの?…君の声、丸聞こえだと、っ思うんだけどなあ、」


「う、ぐっ……!」





声を抑えたところを見計らって腰を掴んで思い切り自身を押し付けた。びくびくと波打つ白い背中を舌で辿り、うなじを舐め上げる。晴矢の匂いがする。
学校のトイレの個室は意外と綺麗だ。便座に腕を付き俺に尻を突き出す形になっている晴矢と楽しい保健体育の勉強中なわけだが、毎日毎日晴矢も健気だなと思う。多分既に学校に来るのも憂鬱だろう。晴矢は好きで俺とこんなことをしている訳ではないのだから。




晴矢は同じクラスの幼なじみの風介が好きだ。勿論恋愛感情という意味で。でも風介には彼女がいる。晴矢もそのことは承知で風介の応援をしていた訳だが、事情を知っている俺からしてみると、応援する晴矢の表情はどこか痛々しかった。





俺は、晴矢の事が好きだったのかもしれない。よく分からない。あの時は独占欲の塊だったから、ただ単に二人の仲を引き剥がしたかったのだ。だって、ねえ。俺が特進コースにいった途端に交流が減っちゃって、二人ばっかり仲良くなっちゃって。俺ばっかり仲間外れなんて嫌だもの。


だからメールでいってやったのだ。俺の言うこと聞かなかったら、風介に晴矢の気持ちをバラす、と。
晴矢は凄い形相でのこのこ一人で俺の前に現れた。何が目的なんだよ、金か?
まるで俺とも幼なじみなんだってこと、完全に忘れてるかのように。




「晴矢は風介に自分の気持ちをバラされたくない。…俺はすごく暇しているんだよ」


「あんた、何のつもりだよ…!」


「ねえ、晴矢、楽しいことしよう」





これで解決でしょ?
その日俺は屋上で晴矢を犯した。晴矢は少しばかり抵抗をしたが、反抗はしなかった。風で屋上のドアが揺れると大袈裟に体が跳ねた。楽しい楽しい。もっと怯えてこっちまで堕ちてくればいい。






それから俺と晴矢はトイレで事に及ぶようになった。晴矢はいつも悲痛な顔をしてトイレに来たけれど、快感に弱い敏感な体が祟って意思とは違う反応をしてた。俺は今晴矢を支配している。このいやらしい体も、ふやけた思考も。それを考えただけで興奮した。





あと楽しかったのは事に及ぶ前。晴矢のクラスに顔を出すのだ。風介と喋ってる時を狙って。
晴矢はそのタイミングに驚いてすぐに俺に駆け寄ってくる。そんなに怖いんだ。風介に自分の思いが伝わるの。でも楽しいのは晴矢の反応だけじゃない。自分との話をいきなり断ち切られて、不服そうな風介。…否、不服どころじゃないな。俺の事睨んでるし、晴矢を切なそうに見てる。そりゃあそうだよね。好きな人にいきなり自分より重要視する人が現れたらびっくりするだろうし、傷付く。


馬鹿だなあ。風介が、晴矢の事が好きっていう事実から逃げて彼女つくっちゃった所為だよ。全部自分の所為なのにね。


「…早く、用件言えよ」


「じゃあ五時間目。よろしくね」


「………わかっ、た…」






ああ、この辛そうに顔を背けた瞬間がたまらないね。風介の元に帰ってゆく晴矢を目で追っていると、風介が鋭くこちらを睨み付けた。だから、君のせいだってば。
風介も勘が働くから、俺たちの関係には薄々感付いているんだろう。でも気付いたって言っても、何時間目かに抜け出して屋上デート、とかそのくらいにしか考えてないんだろうな。それでいいよ。君が知らない間に晴矢はどんどん俺の方に傾いてきてる。結末を知って絶望してくれれば、俺は満足だ。










「いっ、いつまで、こんなことっ続けっ…んだよぉっ……!」


「俺が飽きるまで」


「もう、やっ俺っ、ただの、へんたっ…い…に…!」


「十分変態じゃない。お尻の穴でイけるようになったらもう駄目でしょ」


「ふぅっ…!や、だ、うあぁ、やあぁ……!」





可愛い、可愛い、可哀想。何回も何回も上と下の口に男のモノを銜えさせられて、喘がされて、イかされて。屈辱的だろうと思う。晴矢の性格を考えて、そりゃあもう地獄だろう。しかも幼なじみの俺。裏切られたって思っただろうなあ。




「晴矢」


「ふぇ、っう、あ、あ」


「晴矢」


「なっ、なん、だ、よっ…ああっ!」


「俺のものになってくれるよね?」


「……………えっ…」



一瞬、晴矢は目を見開いた。晴矢が目を伏せて緩やかに首を横に振る。言葉を吐かせないように、俺は舌打ちをしてお得意の言葉を放った。




「まだ分からないの?君には拒否権はないんだけどなあ。…そっかあ、そんなに風介を困らせたいんだ」


「………っ!」


「別に良いけどさ。俺は。…ちょっと待ってね、携帯を…」


「やめっ…やめてくれ…!」


晴矢は振り返って俺の腕を掴んだ。もう少し意地悪をしたくて、もう片方の腕で携帯を取り出す。風介に連絡する気なんて毛頭無いんだけどね。



「……く、」


晴矢が自分から俺の自身を抜き出す。何をするんだろう、とぼんやりと見ていたら、晴矢は俺の首に抱き付きキスをした。それには俺も驚かされた。まさか、そんな行動力あるとは思わなかったよ。



「何でもするからっ…ヒロトのものにもなる!だから、風介には言わないでくれよ……」


「随分必死だねえ。そんなに風介が好き?」


「今、風介すごく幸せそうなんだよ…困らせたくない。それに、きっと気持ち悪いだろ…男に好かれてるなんて知ったら…」


「そうだね。…いい子だね晴矢は。いいよ、黙っててあげる。晴矢すっごく可愛いから。」


「…………んんんっ…」






便座に押し倒してキスをすると、涙の味がした。晴矢は嗚咽を堪えて必死に俺の舌に自分の舌を絡ませている。
その様子が金の為に足を開く遊女のように見えて、吐き気がした。心の底から俺を愛してくれないとつまらない。そうじゃないと美しい終焉はいつまで経っても訪れないじゃないか。






それから俺は毎日、晴矢を抱くたびに「好き」「愛してる」などと囁くようになった。人間は洗脳されてゆく生き物だ。ずっと同じ事をされて、それが気にならない人間なんてほとんどいない。晴矢は最初のうちは反応しても何も返さなかったが、次第に「俺も」と小さな声で返すようになった。少し経つと「俺も好き」に変わり、また少しすると「好き」と自分から言ってくるようになり。



「は、あっ…ひ、ヒロトぉっ……!」


「んー?何?」


「す、は、ァっ…!す、きぃ…っヒロ、トっ…」


「そう、俺も晴矢が好き。」


「…う、…っ……しぃ…」


「え?聞こえないよ晴矢」


「うれっ…しぃ……はあっ…」





晴矢が快感に打ち震えている間、俺は腰を打ち付けながら高笑いしたい気分だった。遂に、堕ちた。俺の元に。やっときた。欲をナカに注いで、自身を抜いた。どろりとナカから精液が零れる。息も絶え絶えな晴矢の頬、額、目、口。色んな所にキスをする。その時晴矢は情事中の中で一番幸せそうな顔をするんだ。いいねえ、俺も幸せだよ。
自分の思い通りに事が運んで。





















その日もトイレに俺達はいた。初めてかもしれない。晴矢からしたいとメールがきたのは。まあ別にいいかと思ってトイレに行く。個室で待つ。晴矢が来る。一連の流れだ。
俺が便座に座っていると、晴矢が個室に入ってきて便座に足を乗り上げ俺にキスをした。俺が退屈なフリをすると晴矢は頑張って気を引こうとする。楽しいね。何かのエロいゲームみたい。




「おいで」


晴矢を膝の間に、向こう側を向いて座らせる。ワイシャツのボタンをゆっくりと外すと、晴矢は焦れったそうに身を捩った。出来上がってるなあ。思わず口元が緩んでしまう。



ボタンを全部外し、ベルトも外した。ズボンのチャックを開けて少し勃っている晴矢のものを撫でる。




「ねえ、どこも触ってないのにどうしたのこれ」


「…ふっ…だって…我慢できなくて…」


「触ったの?」


「触って…ない…。」


「これから先のこと、想像しただけで勃っちゃったの?」


「……………」





肯定、だな。全く分かりやすいったら。ゆるゆると少しの刺激を与えながら晴矢の自身を抜いていると、授業中だというのにトイレに誰か入ってきた。しかもだ。このトイレはどの棟からも一番遠い。つまり此処に入ってくると言うことは――――。




「晴矢!いるんだろう晴矢!」


「―――――っ」





晴矢が息を詰める。やっぱり。風介か。毎日毎日何時間目かにはサボって、しかも俺と仲良さげで。そりゃあね。心配もするでしょう。


大好き、なんだものね。――――晴矢のことが諦めきれなくて、結局可愛い彼女と別れちゃって。彼女泣いてたなあ。可哀相に。



かたかたと晴矢が震えている。大丈夫、という意味を込めて頬を撫でた。その手に晴矢の手が添えられる。

今、この瞬間、俺は今までで一番興奮しているかもしれない。腰の辺りがぞくぞくしてる。俺も変態だ。



そして、晴矢の自身を激しく擦った。突然の快感にびっくりしたのだろう。晴矢は甲高い声を上げた。




「ふぁっああ!」


「………晴矢?」






風介が震える声で問い掛ける。近付く足音。そう、そのままおいで。地獄を味わわせてあげよう。晴矢が小さな声で嫌だ、来るな、と呟いた。多分ドアを塞ぐ気だったんだろう。立ち上がろうとした晴矢の腕をひいて自分のネクタイで後ろ手に縛った。嫌だ、嫌だ、首を振る晴矢を見て懐かしい晴矢を思い出す。俺とするとき、最初はそうだったよね、晴矢。





「晴矢、いるのか?」





ドアの前で風介の声がした。必死に首を振る晴矢。あはは、見えてるわけないのにね。

こんな余興ももうつまらない。俺はまた晴矢の自身を抜いた。声を上げる晴矢。間髪入れず、風介がドアを開けた。
風介が目を見開いた。晴矢が風介を見ながら震えている。ああ、泣いてるんだろうなあ。晴矢チワワみたい。




「な、何やって…るんだ…」


「あはは、ようこそ風介。」


「嫌だッ…やめろヒロト…!ネクタイ、解いて…」





ああ、ちょっと正気に戻ってきちゃったかな。大丈夫、全然範囲内だ。俺は晴矢の首筋を舐める。晴矢の嗚咽が聞こえる。またぞくぞくきた。今が!今が一番楽しいよ!ねえ、晴矢もそう思わない?






「じゃあパーティーへと洒落込もうか。…ねえ?風介、三人でしない?」


「何言って…ヒロト、晴矢を放せ!」


「…好きでしょ?晴矢の事。だから、“貸して”あげる」



貸して、と言うところで風介がぴくり、と動いた。晴矢は下を向いて嘘だ嘘だと呟いている。そう、やっとわかったんだね。ずっと両思いだったんだよ。…今更放してあげる気なんてないけどね。




「さあ、ショータイムだよ。楽しもうね二人共」




地獄に連れていってあげるよ。



























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これはひどい









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