町外れ。このあたりには、人がいない。 ときどき風が吹き抜け、砂が舞う。 それはときに 幻のような現実を運んで来る…… 「あら?」 漂ってきた、血の匂い。ここは人が少ないから、どうもおかしくて。興味本位で足を運んだ。 赤。目に入ったのは、ただそれだけ。 「あの人を傷付けるなら……あの人を俺から奪うのなら……」 そう、青髪の青年は呟く。こちらには気が付かないのか、それとも…… 「無視してるのかしら…?」 答えは、ない。 風が。風が吹き、砂が舞い上がる。 その中で見た影は、まるで鬼のようで。ただ、目を見開くだけ。 風がやむ。そこには。 「幻でも見たのかしら」 何もなかった。血の匂いすら、しなかった。 「帰って久しぶりに、お茶でもしようかしら?」 そう呟いた声は、風に流された。 Fin +++++ 星海様から同盟にて「戯遊とアルスさん」のコラボをお願いしましたところ素敵な小説を描いて下さいました!!独特の雰囲気があふれていて、流れるような描写にドキドキです^^ 戯遊とアルスさんの接点がここに……!!ですね(どんなだ この度は小説を書いて下さり有難うございました。 |