零の旋律 | ナノ
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「魔石の耐久実験をしたいので、どなたか手伝って下さいませんか?」

 この世界ではお目にかかれないであろう技術や機材、こちらでも貴重な陶器や宝石を持ってやってきた【異世界からの使者】……テオ・マクニールは、嘲笑の笑みを浮かべてそう言った。白雪色の肌には現実離れした美しさがあり、銀色の髪はどんな小さな光であろうとも吸収してダイヤモンドのようにキラキラと光る。目は最高級のルビーと謳われるピジョンブラットを思わせた。丁度、男が持ってきた宝石の中にも真っ赤なルビーがたくさんあって、彼の目はまるでその宝石をそのままはめ込んだような輝きを放っている。ギラギラと炎のように光る赤い目に不穏なものを感じたシェーリオルは、見かけだけは下手に出ている銀髪の男に対して言った。
 
「それなら、俺が協力するよ」



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