…と、此処でさらに火に油を注ぐような発言が繰り出される事となる。 「俺は別に、無理に上手くする必要は無いと思うのだよ。何せ美味いとか不味いとか、そんなレベルじゃ推し量れないくらいの、最早料理とも呼べない代物だよ? むしろ食材を駄目にする天才、その能力をさらに伸ばしてみたら?」 天使のような朗らかな微笑を湛えながら放たれた言葉は、その表情とは似ても似つかない程えげつない上に酷い。 まるで郁の心の傷に塩をぐりぐり塗りこむような言い振りである。 「そんなもの伸ばしてどうするんだ!? すでに料理じゃないだろソレ!?」 「…だから、奥の手のリーサルウェポンとして使えばいいのだよ。武器としては破壊力抜群だ」 「待てオイっ! 誰の料理がリーサルウェポンだ!? 私は真剣に料理を作ってるんだぞ!」 「まぁまぁ、落ち着けって郁」 自分の料理があらぬ方向へ向かっていると感じた郁は斎に食って掛かるも、このまま放っておくと不味そうだと判断した篝火がすぐさまフォローに入る。 しかも、元凶である斎はまるで悪びれる様子も無く。 ──実は武器として郁の料理は持ち歩いてるんだけどね。 …などとは口が裂けても言えないな…と心の中で呟く斎であった。 郁の料理が上達するのは、まだまだ時間がかかりそうである…。 END. ------ 天空朱雀様から同盟で篝火、朔夜、斎、郁の小説を書いて頂きました。 読んでいると面白くて、顔がゆるんでニヤケてばかりでした。面白すぎますっ!! みんなの個性が漂っていて、そして郁の料理ネタ内容の素晴らしさにニヤニヤが止まりませんでした。 この度は小説を書いて下さり有難うございます!! |