Y 下らない連中だったか。 何処か苛立ちを感じながら俺は一歩前に出る。 「骨が舎利になることを構わないような連中ならまだ意気込みを感じられたんだが、お前らは違うな、ただ声を荒げて自分たちの利益だけを求める……いや、後先考えずに行動だけして、それでいて自分の願望だけ声高に話す馬鹿か」 あぁ苛々する。苛々する原因はわからないけど―― こいつらを殴ったらすっきりするだろうか、多分ただの八つ当たりだけど。 「あぁ!? ふざけんな、こちらと理想の為に生きて何が悪い」 「ただ、自分を正当化しようとしているだけじゃねぇかよ……その癖命が惜しくて向かってこれねぇ救いようがねぇよ、いや元々救うなんて大それたことするつもりはさらさらないが」 苛々する。なんでだ、本当に。 「うるせぇ!!」 武装した男たちは一斉に此方にやってくる。一人一人向かってきてくれるよりそっちの方が助かる。一人一人相手にしなくて済むからな 朔夜は朔夜で雷をぶっ放して倒している。戦闘能力は高い。が……俺が見る限り接近戦には向いていないのだろう。近づかれそうになると逃げ腰で逃げる。 しかし何処か偉そうだ。 そして朝髪の毛を洗ってわかった。朔夜には殆ど力がない。多分柚霧と同じ程度の力しかないだろう。 術頼みか。 そこで俺は気がついた。 榴華が朔夜一人に頼まないで俺にも頼んだことを 朔夜一人の戦闘能力を信用しているのだろう榴華は、だからこそ俺に手伝いを強要した。 朔夜が遠距離攻撃を得意とする術者で、俺が接近戦を得意とする格闘家だから。 バランスとしては丁度いい。 「あわあぁぁああああ」 変な奇声を上げるな耳触りだ 刃を交わしながら鳩尾に蹴りを入れる。むせたてひるんだすきにもう一発殴り気絶させるか再起不能まで追い込む。今の俺は沖淡な気分ではない、あまり手加減をするつもりはない。 朔夜の方を見ると朔夜が有利な状況だ。相手は雷を恐れて近づけない。近づけばまだ勝機があったものの。近づかなければ相手の懐に入らなければ勝ち目はないというのに愚かだ。 食うか食われるかの覚悟も出来ていない奴が打倒榴華組織を名乗るな――そう口に出しそうになる。 [*前] | [次#] TOP |