T 「まて」 「いやっ、だってここサクリンの家!? 信じられん」 「ってか、あいつは一体何だ!!」 とりあえず朔夜本人はまだ寝ているために榴華に 「部屋が汚すぎる!! 一人暮らしだからか!? 甘えやかすな!! 鞭を惜しめば駄目になるぞ!!」 「いや、ほらサクリンやし」 「衛生状況が悪い。冷蔵庫を開けたら即席で作れる簡易食品しかない、栄養バランスに偏りがありすぎる!! 風呂場は汚い。シャンプーはあるのにトリートメントはないし、服はバラバラに床に散らかっているし」 「朔夜はめんどくさがりだし……」 「そんなレベルじゃない!! これじゃあだらしがなさすぎる。今からこんなんだと将来どうなるんだっ」 「いやほら……」 榴華の服を掴んで怒鳴っている俺から目をそらそうと榴華は必死だ。 「しかも朝になっても起きない、一体なんだ」 「いや、俺的には……この状況の方が気になるんだが」 榴華の口調が素なのを特に気にしない。 この状況とはまぁ普通一日で此処まで変化していたら驚くか 「あぁ? 気になって仕方ないから朝から大掃除始めたんだろうが!」 魔の巣窟はやはり無視できなくて、朝起きてから大掃除を開始した。宿主には許可を取らないでどう考えてもいらないものはごみ袋に纏めて捨てた。まだ捨てる場所がわからないから、一か所に固めてある。 その後引き出しの中を一取り全部出して整えていく、もし朔夜が人に見られたくないものがあったとしても気にしない。それに朔夜の部屋はまだ手をつけていない。 外に出ているものを引き出しの中に種類ごとにしまう。 窓を一度全部開けてから風呂場の掃除。風呂場を掃除した後は洗濯をして、服はベランダに全部干す。乾くかは知らないが。その後掃除をして水拭きする。台所も水拭きをして汚れを落として、いつのかわからない洗い物とスポンジ、まな板、包丁などを漂泊。 皿も一枚一枚洗って食器棚の中を綺麗にしてから入れた。 座れなかったソファーは今では座れる。 見違えるように綺麗になった。これで少しはすっきりした。俺が。 「き、綺麗好きだったのか……」 驚いている榴華。 「とりあえず朔夜起こしてこい」 俺の命令に榴華は素直に従って朔夜を起こしにいった。数分後怒鳴り声が聞こえてきた。 そして朔夜が部屋から出てくるとその場で固まった。石像にでもなったのではと思える程微動だにしない。 [*前] | [次#] TOP |