零の旋律 | ナノ

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「結構な数だな」

 一方の炬奈は、こっそり銃を片手に構えていた。
 朧埼とは違い、炬奈は複数の足音の気配を感じ取り、何かあってもすぐに対応が出来るようしていた。殺すことを躊躇しない。一瞬の迷いが命取りになるのなら、相手を殺すことを迷わない。自分たちが生きて、目的を果たす為に。

「私は梓、ねぇねぇ、外界からの訪問者?」

 一人の女性が何の警戒心もなく二人の元に近づいてくる。
 腰にかかる長さの長い髪。髪色は紫掛った黒。瞳も同じ色で、興味津々に朧埼と炬奈を見定めている。
 紫色を基準とした上質なつくりの服。下は長くロングスカート状になっている。
 女性の後ろには女性に従う自らを騎士だと名乗っているような容貌の5人の罪人を引き連れていた。

「ねぇねぇ、おしえてーよぅ」

 何処か無邪気さを醸し出しながらも、瞳の奥に狂気を秘めているようなその容貌に炬奈は警戒を怠らない。

「答える必要はない」

 炬奈は淡白に言い放ち、威嚇として女性の足元に一発銃を放った
 しかし、女性は驚く様子も見せなかった。まるで最初から威嚇してくることをしっているかの如く、冷静に歩むのを止めた。それだけだった。
 炬奈はその様子に女性の姿を上から下へと見定める。
 後ろの罪人はその銃声が聞こえた事で罪人は手に所持していた拳銃を炬奈に向けようとした。しかし梓と名乗った女性の手によって静止させられた。

「ダメー私は、まだ興味あるのぉ」

 唯、一言
 その一言だけで罪人は大人しく後ろへと下がる

「答えてよ? ねぇねぇ」

 歳不相応に無邪気に話しかけてくる。20前後に見える女性の言動は幼い子に似ていた。危なかしっくて、そそのかしくて、純粋で無邪気
 未知の世界に興味を持つ子供のような言動をする女性

 それでいて、どこか狂気を含む


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