V 「所詮夢物語だよ。そんなものはね」 息絶えた女性の傍らに突如として銀髪の男性が現われた。 息絶えた女性の夢物語と不敵に微笑みながら言う。その言葉の真意は一体何だったのか、それは銀髪の男性以外知る由もない。 銀髪の男性は、一般人には見極めることが不可能な早さで腰にさしていたサーベルを抜き、女性を殺した男性の心臓を一突きにして殺した。 そのまま、男性の身体からサーベルを抜きだして、血が滴り落ち流れる彼らを見る。 「さようなら、君たちじゃ役不足だ。もっともっと高級な役者じゃなきゃ、君たちには僕の物語の主役は務まらなかったね。さようなら、この地に死にゆくものよ。さようなら、この地で果てゆく者よ。さようなら、愛しき大地よ永遠と輝き闇の真紅となれ我は愛しむ」 鮮血に染め、彼らに最期の言葉をかける 深く深い奈落の底に落ちていき 闇に包まれて人は希望を渇望する 生きるための代価は高く 人は罪を重ねていく―― [*前] | [次#] TOP |