U ――いくら外面を繕ってすごしてきても、最後にはそのままの絶望が私を襲う ――殺人罪、私が起こした罪はそれ、 殺したのは自分の子供 殺したのは自分の夫 殺したのは近所の仲良かった友人 憲兵に捕えられて、遺族に聞かれた言葉は何故殺したの? あの子が一体何をしたの!? 悲しみに包まれた遺族の言葉 「殺したかったからよ! 理由なんてしらないわよ、ああはははははははははははははははっはははははははははは。殺したかったからよ、 気に食わなかったのよ。 存在自体が私を、私を大切だってさ、偽りなんだよ。すべてが、あはははははははははははははははははははははは。どうだっていいじゃん。あんたたちも心の中では なんて思ってんのよ! 聞かせて見せなさいよ。この私にさぁぁぁぁぁ!!」 辛辣で狂った言葉を浴びせた後は問答無用で罪人達の牢獄へと放り込まれた。 これでよかったと思った ――殺人犯だった当時の私は。 でも…… ――私はこうなるとは思ってなかった。私はそこで一緒になった男性と過ごしてきたがある日突然男に刃物で切り裂かれた。 段々遠のいていく意識の中で、 男に身体を切り裂かれていくのをその身で感じながら 意識はそこで途絶える 最後に思いを一つ残しながら 「ここにあるのは絶望の奈落だけだった」 あんな夢は偽りでしかなかった ――外界に住んでいるときに、それを、夢を実現させるために、殺人を犯した。そんなの後の祭りごとだってわかっていたのに 夢求め夢に―― [*前] | [次#] TOP |