零の旋律 | ナノ

prologue


 下らなき思いを信じ、虚偽の空間に身を委ねる

 偽善な空間の果に辿り着く闇の先

 それは人の世から隔離された闇の空間の祭りごと

 これは、罪人の世界



 平穏なんて言葉はこの空間にはない。
 ただ、表の世(世界)で罪を起こした裏の『人』
 政府に捉えられ、牢獄という名の場所に葬りこまれ、放置され
 次から次へと葬りやってくる罪人達でこの空間は荒れ果てていく。
 平穏なんて言葉はこの空間にはない。


 生きるために、罪人は罪人を殺していく。
 生きるために、罪人は新たな罪を重ねていく。


「夢なんてただの祭り事。この地にそんなものは必要ないし、存在もしない。僕らはこの地で一生を生きようとして終え、夢も希望もなく、脆く、淡く、儚く死んでいくだけなのさ。君もそんなことぐらいわかっているよね?」

 罪人は言った。
 荒れ狂う町の一角で、冷笑な微笑を
 君と呼ばれた少年に向って見下すように……


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