零の旋律 | ナノ

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「それなら納得だな。さて、今日は休んで明日また再開だな」

 リィハの説明でキルセは納得する。

「あー仕事が早くしたいー」
「うるせ、一日二日仕事しなくても死にゃしないから、さっさと犯人捕まえるぞ」

 アークのぼやきにキルセは殴りたい心境になる。
 この男は何処まで『愛しているよ、仕事』なのかと。もういっそ仕事と結婚すればいいのにとさえ思う。なのに、お見合い写真を見ているのだから理解出来ない。

「まぁ仕事の妨害はされたくないから、さっさと殺すか」
「何だかこれ、最初へ戻るみたいな話になりそうだ」

 キルセのため息混じりの言葉の意味がわからないと、アーク以下レインドフ家の面々は首を傾げたが、詳しくキルセは説明しなかった。

「そうだ、折角だからこのまま夕飯食べましょうですー! またリビングに来るの面倒ですしー。リィハが腕によりをかけて頑張ったんですよ! というわけでリィハ準備宜しくです―」
「はいはい……」

 リィハは料理を取りに移動する。カトレアがさりげなく手伝いについていった。

「リィハが作ったってよりお前が働きたくないからリィハに作らせたんだろ」
「リテイブは何時から預言者なったんです? たった数日の人にいいあてられるとは思わなかったです―」
「喧嘩売ってんのかよ」

 青筋を立てながらリテイブがリアトリスに殺気を放つが、どこ吹く風でリアトリスは受け流す。

「売ってないですよ〜、褒めただけですのに、好意を素直に受け止められない人ですねぇ」
「その口調や言い方からどうして好意に取れるんだよ」
「はいはい、そこまで。リィハが夕飯を運んでくれたんだから食べるぞ」

 下手をすると乱闘を起こしそうな二人の仲裁をいつもの如くキルセがする。その横で戦うなら俺も混ぜてくれよという表情をしているアークがいた。

「お前ら少しは手伝えよ。カトレアしか手伝ってくれなかったぞ。ありがとな、カトレア」
「どう致しまして」
「リアとカトレアの優しさ度合いが違いすぎて本当に双子かそろそろ疑いたくなるよな」
「あっ酷いです! それって私が優しくないってことですよね!」
「リィハも余計なこと言わなくていい! 夕飯が明後日になるぞ!」
「明日じゃねぇのかよ!」
「リテイブなぁ……こいつらの会話が数時間程度で終わると思っているのか?」
「終わらせてやろうか?」
「止めろ。お前は加わると自然鎮火まで一週間に伸びる」
「リテイブって本当好戦的で物騒ですよねー」
「待て、物理は止めろ、俺に勝ち目があるわけないだろ!」
「虫けら以下の実力ですもんねぇ、諦めて瞬殺されてください」
「戦うなら俺も混じるけど?」
「戦闘狂は黙ってろ!! ってか全員(カトレア以外)黙ってろ!」

 そんないつもの日常。


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