零の旋律 | ナノ

第弐話:復讐者


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 闇の螺旋を登ればそこは、光が空高くに見える。伸ばしても届かない光への回廊
 いくら手を伸ばしたって届きはしない希望が見える空

「絶対に復讐してみせるよ、大切な人を陥れた君たちを」

 彼は笑う、酷く儚くそして残酷に
 手を上へ伸ばす

「光はつかめなくとも、君たちは手を伸ばせば届けそうな位置にいるんだから」

 例え何を敵に回そうと構わない
 例え誰を裏切っても構わない

 世界に映るのは唯二人の大切な人だけ

「俺の世界は狭いから」

 大切な二人と自分以外誰も入れない世界の中で、目を瞑ると広がるのは懐かしきあの日々。
 あの日から壊れた崩れ落ちた。
 許さない

 手を伸ばす、けれど空高くにある雲はつかめない。
 けれど――人は掴める

 例えどんな手段を使おうと
 例えどんなことをしようと

 ――構わない


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