第弐話:復讐者 +++ 闇の螺旋を登ればそこは、光が空高くに見える。伸ばしても届かない光への回廊 いくら手を伸ばしたって届きはしない希望が見える空 「絶対に復讐してみせるよ、大切な人を陥れた君たちを」 彼は笑う、酷く儚くそして残酷に 手を上へ伸ばす 「光はつかめなくとも、君たちは手を伸ばせば届けそうな位置にいるんだから」 例え何を敵に回そうと構わない 例え誰を裏切っても構わない 世界に映るのは唯二人の大切な人だけ 「俺の世界は狭いから」 大切な二人と自分以外誰も入れない世界の中で、目を瞑ると広がるのは懐かしきあの日々。 あの日から壊れた崩れ落ちた。 許さない 手を伸ばす、けれど空高くにある雲はつかめない。 けれど――人は掴める 例えどんな手段を使おうと 例えどんなことをしようと ――構わない [*前] | [次#] TOP |