認めたくなかった結末 +++ ――朔。何心配してくれているの? 明日は槍が降りそうだね。って冗談だよ! 全く、すぐに雷を降らせようとするんだから。……有難う 目をつぶれば浮かんでくる光景は想い出。 ――な、なんだしお前は、馬鹿じゃなねぇのか! まぁ……私はそれが朔らしいって思うけど。だからいいんじゃないのか? 耳を澄ませば、脳内で再生される言葉 出会ってからの想い出の数々 隣を振り向けば、そこにいるような錯覚に陥り手を伸ばす。 手を伸ばしても掴めない。 白き断罪が姿を消して数日後 「朔、何か食べないと……身体に悪いぞ」 まだ修復されきっていない第一の街に、朔夜と篝火は戻って来ていた。朔夜の自宅で、篝火は朔夜の部屋の入り口に立っている。 室内は電気がついていないため薄暗い。その中で、朔夜は壁に向かって体育座りをしている。 「……そうだ、第三の街の支配者は紅於になったみたいだ」 返事はない。それでも会話を続ける。話しは聞いていてくれると信じて。 「白き断罪はもう何処にも現れていないそうだ。雛罌粟たちも体力を取り戻したみたいで、元気に街の治安維持をしているらしい」 返事はない。 「……買い物に行ってくる」 朔夜からの返事は一切ない。此処数日、そんな状態が続いていた。 篝火は自宅から出て買い物に向かう。 第一の街も大分復旧してきた。罪人と榴華たちが頑張っているからだ。その為、第二の街に避難していた第一の街の罪人の殆どが第一の街に戻ってきた。 [*前] | [次#] TOP |