零の旋律 | ナノ

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 物語はいつまでも同じページのまま止まらない。次へ書かれる。

 ――ねぇ、どこまでも踊れ

 ――どうして、私なんかのために

 そう少女は嘆いた
 いなくなった世界の中で
 ぽっかり空いた空虚を埋められずに
 大切で満たされていた
 あの日、あの時までは

 不安で不安でたまらなくて、そして少女は――
 自らの痛みを埋めるための痛みに手を伸ばす

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 舞う、まう。血飛沫。
 世界を彩る色は――赤
 彼女を躍動させる赤
 凝固した赤

「あはっ、どうして、こんなに色々な闇が動いて回っても、最期には真っ赤に散るのかしらねぇ」

 そこにある、それをみる。愛おしそうに赤に触れる。

「黒白だけの世界じゃ、終われない赤がそこにある。どんなに銀に羨望していたところで、何もないのね」

 語る、語る。
 返事をしないそこに存在する者に向かい。
 彼女は唯、饒舌に。
 返答は求めていない、誰も聞いていないと知っているから。

「結局貴方は、道化師にはなれなかった」

 道化師を目指し、道化に心から成り切れる事がなかったその血を舐める――。

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