U 「罪人の牢獄それは、罪を犯したものが行きつく果て」 血に染まる 鈍い音が鳴る。 「ただ死を待つだけの奈落の血」 青年は笑う。 手を前に振って笑う。 それは誰に対してか、自分か相手か 自らの手を青年は見る。 赤く赤く鮮血に染まりし手を この手はもう取り返しのない程、多くの血に染められた。 「助けなどこの地の何処にもありはしない」 自虐的に笑う。 自分も世界も罪も全てが愚かしい程に滑稽だ その滑稽な世界の中で今、自分は生きているのだと 「否、罪人の牢獄だけではありはしないか……」 「始めよう、終わりと始まりの物語を」 +++ 盤上に駒を並べる。 それはまるでこれから遊戯を始めるように 盤上に置かれた駒 そして盤上の遊戯 「物語の終わりが全て――」 [*前] | [次#] TOP |