零の旋律 | ナノ

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 出会いは偶然か必然か誰にもわからないけれども
 今そこにあることだけは確かなことだから


 紫蘭の花が地面に咲き誇る。
 寒い日も温かい日も、その花は萎れることなく花を咲かす。
 ジニアの花が所々に咲き誇り、色鮮やかさをその空間に作り出す。
 色とりどりの花々が一か所に咲き誇るその場所に佇む。
 西の地平線の彼方からは夕焼けが見え、その明りが辺りを照らす。


「綺麗……だな」

 一つの物語は終わり、新たな物語が始まる

「あぁ、綺麗だ」
「また来よう」

 夕日を背に、瞳から除かせる透明な雫、そして微笑む笑顔。
 心の刻むことの時――



 白い花が周囲に咲き誇る
 それは胡蝶之夢か


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