彼岸花のような君 4
――――、
「はあ…はあ」
何時間たったか分かんねえ。
決着がつかなかった。
「すごいね、ここまで粘った女は初めてだよ」
「…」
でも、俺の中では結果が出てる。
今回は俺の負けだ。
ついていくのがやっとだった。
「久しぶりに楽しかった。またヤりたいな」
「…うるせえ」
俺が敗北を味わうなんて悔しいったらない。
「君は何処の高校に通ってるの?」
でも、こいつと同じ満足感があるのは何でだろう。
喧嘩して楽しいとか…頭イカれちまったかな。
こんな気持ちは初めてだ。
「それ聞いてどうすんだよ」
「会いに行くよ」
「は!?」
目を大きく見開かせて、こいつを見つめる。
今何言いやがった?
「気に入っちゃったんだよね君の事。
てか、好きかも」
「なっ!?」
突然何を言い出すんだよこいつは。
最初から最後まで意味分かんねえ奴だな、大丈夫か?
誰を見てそんな事言ってんだよ。
マジでやめてくれ。
「ヤりがいがある女って初めてなんだ。だから欲しい」
「―なんだよそれ!」
「ねえ、君の名前を教えてよ」
ちょ、こっちくんなこっち見んな。
その顔で俺を見るんじゃねえ!
「っ誰が教えるか馬鹿」
「ケチだなあ。まあいいけどさ、自分で調べるし。
それよりも…」
「!?」
―一瞬、何が起こったのか理解出来なかった。
「うん。やっぱ良い身体してるね」
下を見てみれば、俺はこいつに胸を揉まれてた。
って、おい!
「な、なな何すんだよ!」
「あはは動揺してる。さっきの目つきは何処に行ったんだろうね」
「うるせえ!」
揉むのをやめないこいつに腹が立つ。
俺の手首もがっちり掴まれてて身動きが取れない。
所詮は女。男の力には叶わないのか。
…いや、ふざけんな?
「ちょっ、や」
「食べたら美味しそうだ。アッチの意味で」
「ちょ…!」
「俺の女になる気無い?」
「やっ!」
「抵抗してないでさ、答えてよ」
―いや…いい加減に
「ねえ?」
「や」
いい加減に、
「ちょっと聞いて」
「やめてって言ってんでしょ!」
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