ボツ作品「独り善がりの愛」続編
2011/08/04 18:26


今後の作品のネタバレ含みます!!










「今までありがとう」


俺は今日この場所であんたにお別れを言いにきたんだ。
今までありがとう糞野郎。これでさよなら、お互い幸せだ。
なぜだか熱くなっていく目頭に俺は気が付かない振りをして、彼に背を向けて歩き出した。






最初は、好きだったのだろう。
たくさんの人間やポケモンに囲まれてるはずなのに
自分は1人だ、孤独だ、と感じてるその表情にいつしか俺は惹かれていた。
そして自分が彼を好きだと自覚したときから、俺はうすうす感づいていたのだ。

俺は、その孤独感に染まった顔に惚れたのだと。


「##NAME1##」

「・・・グリーン、」

男の名をポツリと呼べば、頬に赤みが差す。
真っ暗な部屋、それでも些細なグリーンの変化に気が付いたのは、
俺の目がこの暗闇にすっかり慣れてしまっているせいで。

もう、1時間近くボウとしていた。
俺は後ろから抱きしめてくるグリーンの体温を感じながらポツリと声を漏らす。

「・・・どこにいたんだ」

香水の匂いが、移ってる。
嫌いなタイプに入る、グリーンから香る匂いに俺は眉を顰めた。
どうせ、また例の浮気だ。
そんなに俺が嫌いなら言えばいいのに。
もう十分孤独でないのなら、別れればいいのに。

「友達と飲み会」

「・・・そう、なんだ」

充実してるんだろ
満たされてるんだろ
1人じゃないと、思えてるんだろ。
ならば、もうお前は俺の好きだったグリーンじゃないんだ。

それでも、俺が弱い振りをするのは・・・なんでだろうな。俺にもわかんないよ。

「・・・お前は、俺のこと・・・」

「好きだよ、大好き。愛してる」

間髪いれずに、いやもっと、俺のセリフを遮ってそう答えるグリーンに背筋が凍った。
俺には、重たすぎるんだよ、その愛が。
俺は、お前のこと当の昔に好きじゃなくなってたって言うのに。
俺も・・・厄介なものに好かれてしまった。





「好きだよ、##NAME1##」

夕暮れの、誰もいない公園で耳元で囁かれるセリフにヒクリと喉を鳴らす。

逃げられない、でも俺は逃げてみせる。



ちなみに教えてやろう。とっくに俺は、お前が嫌いだよ。




>>more

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -