タキ兄さん
2012/01/18 00:12

兄さん自身に需要があるのか疑問に思った。
ちょっと練習。くそ半端ですけど。


注意// 俺空主とオリジナル女主/オリキャラ×オリキャラ/中途半端/俺空主名前→「タキ」固定



「・・・、」

ぐずりと鼻を啜る音が薄暗い森に消えてなくなる。
育った背の高い何本もの木々のせいで中途半端に入れ込む太陽の光が薄気味悪くて。
じめりと肌にまとわりつくような湿気に悪寒が走る。どうしよう。此処、どこ。


「・・・」

そこにしゃがみ込んで俯く。
目に溜まった涙が目から直接地面に落ちて、染みを作った。
心細い。寂しい。怖い。・・・誰か、誰か。寂しい、誰か、私を。・・・違う。誰かじゃない。誰かじゃなくて、


「・・・ふ、ぇ、・・・。たすけ、てぇ・・・お兄ちゃん・・・」

「、った・・・。よかった、いた」

脇に腕が回され軽々と持ち上げられる。
宙に浮かんだ身体を優しく抱きしめてくれるのは、優しい大好きな匂いで。
さっきよりもたくさん、ボロボロと目から涙が落ちていくのにさえ構わず目の前の大きな胸に強く抱きついた。


「おに、ちゃ・・・タキおにいちゃん・・・」

「一人だけで森に入っちゃダメって言っただろ?」

だけど、無事でよかった。
優しい笑顔でそう言って、優しく頭を撫でるタキお兄ちゃんの掌に目を瞑る。

ボロボロになってしまったお気に入りの服。
お母さんに結ってもらってかわいくしてもらった髪の毛。

どれもどうでもよくなってしまって。ただ、彼が私に笑いかけてくれるのなら。


◆◇◆


「ん・・・ぅ、?」

「お、おきたか。気持ちよさそうに寝てたぞ」

重たい瞼を持ち上げ、まず視界に入ったのは優しい笑みを浮かべるお兄さんで。
ゴシゴシと覚醒しない瞳を擦れば傷がつく、といってやんわりと擦る手を退けるお兄さんにドキリと胸がなるのを感じた。

「タキ、・・・さん、おはよう。・・・大好き」

はにかみながら朝の挨拶。
タキさんは少しばかり目を丸め、心なしか頬をピンクに染めておはよう。と優しく私の手を握った。

幼い頃。初めて彼にあった日、彼が私にくれた笑顔が胸にくっついて離れてくれないの。



えんど。

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