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小鳥の囁き似た鳴き声で目が覚める。
寝る直前まで聞いていたipodに繋がれたイヤフォンから微かに音が聞こえた。
きっとそのまま寝てしまったんだろうと思い、ipodの電源を切った。
「お、起きてたか」
突然襖が開いたと思ったら土方さんだった。
土方さんは毎朝7時に起こしてくれる。
「今日はなんか自然に起きれた」
そう言って僕は微笑む。
「そうか、早く着替えろ。
今日は朝飯奢ってやる」
「わーい」
そして、パジャマの服に手をかけた。
「…お前俺がいるのに脱ごうとするのか?」
「え?だって土方さんだしいいかなって…
ダメだった?」
「いや、ダメとかダメじゃないとかじゃなくて男がいるのに脱ぐのはおかしいだろ」
「…ごめんなさい。」
「…いや、まぁ俺ならいいけど他の奴の前ではするなよ?」
「気を付ける。」
「それならいい」
会話が終わった瞬間に土方さんの手が伸びてきた。
その手は僕の髪をくしゃっと撫でる。
それを気にせずに着替えを続ける。
きっと何も知らない人からすればこの光景は恋人に見えるかもしれない。
でも僕と土方さんは付き合ってない。
多分兄妹とかそんなんだとお互いに思ってると思う。
少ないとも僕はそうだ。
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