第十話(2/7)
「なんでわざわざ場所帰る必要があるんだ?
しかもお前の部屋とか…」
「いや、あそこで話すのは少しまずい話だから」
「そうか…
で、なんだ?」
「お兄ちゃんは結婚の話知ってる?」
「結婚?
あー沖田が昨日夜な夜な部屋に来て…
『水樹と結婚したいんでさァ!!』って言ってたことの話か。」
「……お兄ちゃんなんて答えたの?」
「本人に聞けって追い返した」
「なんで駄目って言わなかった!?」
「いや、なんだかんだでお前も沖田のこと好きっぽいし…」
「お、お兄ちゃんが大人になった…
シスコンなお兄ちゃんが、僕から卒業したー!!
これは明日隕石が落ちてくる予兆なんじゃ…」
「違う、俺…好きな人出来たんだ。
だから、シスコンじゃ嫌われるかと思っていい加減卒業しようと思ってたんだ。」
「え、誰誰?」
「…ほら、近藤さんがストーカーしてる女いるだろ?」
「あ、お妙さん!!」
「そう、結構バイオレンスだけど…
すごく優しいし、料理は下手だけど一生懸命だし…」
「そっかー頑張って。」
「ああ」
僕はお兄ちゃんの雰囲気が違う理由が分かって安心したと同時に、
結婚という人生においての最大イベントが起きる予兆を察知した。
さて、僕はこのまま総悟と結婚することになっていいのかな?
なんて思った瞬間頭に温もりを感じた。
お兄ちゃんの手だ。
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