第六話(4/7)



「で、どうすんの?
俺のこと斬る?」

「……アンタにはもう少し話してもらわねぇといけねぇことがあるんで、まだ斬らねぇ」

「そうか、よかった…」

「それに、斬るのは…」

「僕だから。」

「水樹…」

「ってことでィ。」


僕は覚悟を決めた。
お兄ちゃんの屍を越えてから、あの人を斬るって…


「じゃあ、斬られる前にお願い聞いてくれる?」

「お願い?」

「うん、水樹の初めて俺に頂戴?」

「……お兄ちゃん、今すぐに斬ってもいいんだよ?」

「いや、マジで!!
お願いします!
沖田なんかより上手いから!
あの人に連れまわされてるから、すっげ上手くなったんだって!!」

「…頼むから下ネタやめて?
てか、なんであの人に連れまわされて上手くなるの!?」

「だって、あの人万年発情してるから…」

「何?毎日とか言わないよね?」

「あの人毎晩かも…」

「しょうがないなぁ…
今すぐ全部あの人のこと話して?
そしたら、すぐに斬ってあげるから!」

「だから、なんでそうなるの!?」

「下ネタ嫌いなの知ってんでしょ!?」


僕は頭に少し血が上ったらしい。
でも、本当はお兄ちゃんのこと斬りたくないんだ…
本当は、たった一人の肉親を失いたくないんだ…
いくら、沖田とか土方さんとか近藤さんがいたとしても、お兄ちゃんの代わりになる人なんていないんだ…

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