第五話(6/8)
「水樹、いい加減認めたらどうですかィ?」
「なんて?」
「『私は総悟の事が大好きです』って。」
「…やだ。
だって、認めたら自分が女だって認めなくちゃいけないじゃん」
「はぁ、まだそんなこと言ってるのかィ?
別に俺のこと好きでも、精神的に男だって思ってればいいだけの話だろィ?」
「そういう問題じゃないよ…」
「じゃあどういう問題でィ?」
「…さぁね。
あーあ、お兄ちゃんさえ此処に来なければ…
今すぐにでも認めたのに。」
「??」
「お兄ちゃんがあんなことしてなかったら…
お兄ちゃんがあんな奴の言うことさえ聞いてなければ…」
僕はお兄ちゃんと初めて別れた時のことを思い出した。
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