思い出。(3/6)



「私、帰らないといけなくなっちゃって。」

「実家にでも帰るのか?」

「うん…
でも、すごく遠いとこだから。
だから、次いつ江戸に来られるかわからなくて…」

「随分と急な話だな。」

「ごめんなさい…」

「気にすんな。
もう会えないって訳じゃねぇだろ?」

「会えたとしても…
もう、銀ちゃんと手とか繋げないかもしれない。」

「どういう意味だ?」

「私、もしかしたら…
お見合いさせられて、結婚するかもしれないから。」

「!?」

「今日ね、お母さんから手紙が来て。
だから、近いうちに帰らないとって思ってて…」

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