君だけに…(4/6)
今年のバレンタインは…
キーンコーン―
「はぁ、やっと今日も終わった。
じゃあ私、みんなに配ってくるね。」
私は、机の横にかけていた袋を持って、
クラス全員に配って回った。
「今年もすまない。」
『ありがとう』
「うん。」
「毎年俺のはマヨで助かる。」
「ま、土方さんはマヨヲタクですからねィ」
「ヲタクじゃねぇ!!」
「沖田君も。」
「ありがとうごぜェやす。
今年は俺からもあげやす。」
「ありがとう。」
「せっかくなんで、配り終わったら一緒に帰らねぇかィ?」
「ごめん、神楽ちゃんと妙ちゃんと帰るから…」
「……たまにはいいじゃねぇかィ」
「でも…」
「はーい、バレンタインだからってイチャイチャしない。」
「あ、先生もどうぞ」
「おーサンキューな。
悪いな、毎年。」
「いえいえ。」
「先生、受け取ってください!!」
そこへ器用に自分を縛ったさっちゃんが立っていた。
←|→
戻る