独占欲。(1/2)
「カイトー昨日遊馬と小鳥ちゃんとショッピングモール行ってきたんだ。
いろんなものが沢山あって楽しかったよ?
だからカイトも今度一緒に行かない?」
笑顔で俺に聞いてくる零は可愛い。
だが、百歩譲って同性と遊ぶのは良しとしても男が一緒にとなると話は別だ。
そう思っている俺には全く気付かずにご丁寧に俺の返答を待っている。
「別に俺以外の奴と行けるならそれでいいだろ」
「やだよ、カイトとも行きたいー」
「…何故だ?」
「なんでって、それは…」
「言えないのか?」
「言えないとかじゃなくて、その…
カイトと一緒に行ったら何かお揃いのものとか買いたくて…
だから、一緒に行かないと何を買えばいいかわからないし…」
「…お揃いならわざわざ買わなくてもいいものがある。」
「え、なに?」
キョトンとしている零を軽く抱きしめてから、
敢えて気付くように音を立てて首筋を吸う。
「…あの、私も同じことしないとダメなのかな?///」
赤みを帯びた表情で見つめてくる零はどうも苛めたくなる。
「ああ、ダメだ」
「…わかった///」
慣れない手つきで俺の首に腕をまわす。
本当は今すぐにでも押し倒してやりたかったが、零がこれからどうするかの方が気になった。
「んっ」
微かな声がしたと思えば、軽いリップ音が耳に入ってきた。
「…あ、ごめん。なんか紫になっちゃった」
「ふっ、下手だな」
「仕方ないじゃん、初めてだもん///」
「まぁいい。
お前がこんなことするのも珍しいからな」
「もうしないもんっ///」
「って言いながらどうせまたやるんだろ?」
「し、しないってばっ///」
必死に反論しているつもりだろうが、赤い顔で言われても全く説得力がない。
むしろ可愛いだけだ。
だが、俺は敢えて言わずにしばらく零の反応を楽しんだ。
独占欲。
(お前は俺だけ見てればいいんだ。)
(俺のこと以外は考えなくていい。)
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